ベストディフェンダー賞の常連、遠藤祐亮 すごみを佐々木クリスが解説

強じんな肉体に経験を加味することで、遠藤祐亮のディフェンスは年々進化を続けている 【(C)B.LEAGUE】

 改めるまでもなく、遠藤祐亮(宇都宮ブレックス)が国内最高峰のディフェンダーであると言えるだろう。

 これまで2度のベストディフェンダー賞を受賞し、Bリーグ初年度に行われたBリーグアワードの席上では、富樫勇樹(千葉ジェッツ)、田中大貴(アルバルク東京)、金丸晃輔(シーホース三河)などといった各チームのエースにこぞって「遠藤選手のディフェンスが大嫌い」と言わしめた。

 確かに遠藤のディフェンスは激しくて、しつこくて、今ふと振り返っても抜かれている姿が浮かんでこない。しかし、一体そのディフェンスのどこがすごいのか、詳しくは分からない。

 そんな疑問を解決すべく、Bリーグ公認アナリストの佐々木クリス氏に話を伺い、その秘密に迫った。

守備で主導権を握れる数少ない存在

「僕が千葉ジェッツでプレーしていた(2011−12)シーズン、チーム練習に当時大東文化大学4年生だった遠藤選手が来たときがありました。そのときからすごくクレバーでオールラウンドなスキルを持っていたので、いい選手だなという印象を受けましたね」

 そう遠藤との出会いを明かすクリス氏。しかし、大学卒業後に遠藤が加入したのは、当時bjリーグに所属していた千葉ジェッツではなかった。選んだのはJBL・リンク栃木ブレックスとの育成契約。当時はまだ無名に等しかった遠藤は、その下部組織に位置していたTGI D-RISEでキャリアをスタートさせた。

 クリス氏の中で「遠藤祐亮はグッドディフェンダー」という確信を持てたのは、シーズンを通してプレーを追いかけ始めたBリーグ初年度のこと。その要因の一つとなったのが、当時A東京に所属していたディアンテ・ギャレットとのマッチアップだった。

「アルバルクには当時のレギュレーションでは珍しいギャレットというガードがいましたよね。彼は1on1に長けていたんですけど、遠藤選手はギャレットを一番苦しめていたディフェンダーなんじゃないかなと思いました。そこからディフェンダーとしての評価を確立していった気がしますし、初年度からベストディフェンダーにふさわしい活躍をしていたと思っています」

Bリーグ元年、アルバルク東京所属のディアンテ・ギャレットとのマッチアップが遠藤のディフェスレベルを引き上げた 【(C)B.LEAGUE】

 では、具体的に遠藤の守備はどのような点が優れていて、なぜマークされる相手スコアラーが嫌がるのか? クリス氏から聞いた言葉をシンプルにまとめると、遠藤は常に自分が主導権を握った状態でディフェンスをしている、ということが言えそうだ。
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