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好調富山のゴール下を支えるビッグマン
シュート率驚異の8割、スミスが月間MVP
富山から2人目の月間MVP受賞となった、ジョシュア・スミス選手。リーグ随一のビッグマンだ
富山から2人目の月間MVP受賞となった、ジョシュア・スミス選手。リーグ随一のビッグマンだ【写真提供:富山グラウジーズ】

 Bリーグは月間MVPに相当する「B.LEAGUE Monthly MVP by 日本郵便」を、今季からファン投票で選んでいる。2021年1月の受賞者は富山グラウジーズのジョシュア・スミスに決まった。富山からは20年10月のジュリアン・マブンガに次ぐ二人目の選出となる。


 スミスは210センチ・138キロと文字通りの“ビッグマン”で、ゴール周辺のパワフルなプレーはB1でもおそらく最強。動きの柔らかさと正確性、正しいジャッジを下す賢さも兼ね備えるセンタープレーヤーだ。

大ケガを乗り越え、絶好調の1月

 アメリカ・シアトル出身の彼は現在28歳。2017-18シーズンに来日して4季連続でB1に在籍し、レベル的なステップアップも果たしつつある。加えてインタビューをお読みいただけば分かるような家族やファンに対する“温かさ”も持つナイスガイだ。


 富山は強豪がそろうB1東地区で上位を争い、2020-21シーズンのチャンピオンシップ進出をうかがっている。1月はマブンガが負傷で離脱した試合があった中で、スミスやリチャード・ソロモンらの活躍もあり、5勝2敗で乗り切った。特にスミスは7試合で平均20.1得点を記録し、月間のフィールドゴール成功率は81%という驚異的な水準だった。


 スミス自身は負傷で2019-20シーズンの大半を欠場したが、20年10月末に復帰を果たすと、鮮やかなカムバックを遂げている。今回はファンや家族に支えられたリハビリ、チームの状態と自身のプレー、そして「小6からダンクを始めた」という常人離れした少年時代を語ってもらっている。

――月間MVP、おめでとうございます。受賞の感想はいかがですか?


 まずノミネート自体を予想していなかったので、驚きました。自分は昨シーズンに大きなケガをして、1月は残念ながらジュリアン・マブンガのケガも起こってしまいました。そんな中でチームが私に期待、要求したことを実現できた結果かなと思っています。


――2020-21シーズンは開幕から4試合目(10月13日の京都ハンナリーズ戦)に右膝の重傷を負い、その後は全試合を欠場しました。リハビリ中はどんな思い、苦労がありましたか?


 本当に色んなことを考えました。「カムバックできるのか?」「前みたいなプレーができるのか?」という不安もありました。最初は歩くことさえできず、膝を曲げることもできませんでした。少しずつ歩けるようになってきても、膝を見たら腫れている状況でした。手術後の数カ月は左右の足の太さがかなり違っていましたし、筋力の低下もかなりあったはずです。


 リハビリ初日にはまず「車に乗ること」が大変でした。リハビリをする場所まで階段を上がらないといけないのですが、段差を進むことさえ大変でした。


――今シーズンも開幕から最初の5試合はベンチ入りしつつ、プレータイムはありませんでした。その時点でコンディションはどうだったのですか?


 開幕の三遠戦からベンチ入りはしていましたが、自分として「まだプレーできるレベルにない」と思っていました。チームの練習には参加していましたが、すべてのメニューに入っていたわけではなく、「ゲームスピードにフィットできないのかな?」と感じていました。ただ(11月上旬に行われた)広島戦の頃には、もう100%に近い状態になっていました。

――年が明け、コンディションも戻った状態で迎えた1月の7試合ですが、振り返っていかがですか?


 自分自身がやれる、ケガをする前の状態に戻ったと証明する1カ月になったと思います。フィジカル、メンタルの両面が、時間の経過とともに戻ってきた感覚がありました。


 昨シーズンの私はダンクをしようとしてミスをして、ケガをしました。小学6年生からダンクを始めて、何千回とダンクをしてきたわけですが、そういう感覚も時間がたつにつれて戻ってきました。「できる」という自信が高まって、それがいい形で現れたのが1月だったと考えてます。


――1月のベストゲームはどの試合ですか?


 スタッツ上ではホームの新潟戦(1月27日/富山93○81新潟)ですけれど、個人的に一番いい試合だと思っているのはアルバルク東京との第1戦(1月30日/97○86)です。(編集注:スミス選手は27日に31得点、30日が26得点)


――相手はB1を連覇している強豪です。マブンガ選手がケガにより不在の中で、スミス選手にかかる期待も大きい試合だったと思います。


 このリーグにいるチームは、どこだろうと下に見てはいけません。ただA東京はリーグを2連覇している、素晴らしいチームです。


「僕たちがこのリーグでやれる」とメッセージを送る意味でも、やってやりたいという思いがありました。1試合目を取れましたし、2試合目もかなりの接戦(富山 86●90 A東京)でした。ジュリアン(マブンガ)がいなくても自分たちはやれると示せた2試合だったと思います。


――31日のA東京戦は31得点を記録し、フィールドゴールが「14/15」とほぼ100%の確率を記録しています。(編集注:速報スタッツは「14/14」)すごいスタッツですが、ご本人としてどうですか?


 スタッツは正直気にしていなくて、A東京戦の2試合目を落としたときは逆に腹立たしく感じていました。でもチームメイトが(速報スタッツが)「14/14だよ」と教えてくれて、それは驚きました。

大島和人
大島和人

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都町田市に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。バスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、バレーなどの現場にも小まめに足を運び、試合観戦数は毎年300試合を超える。日本を実はサッカーだけでなくバスケ強国であるスペイン、バレー王国・ブラジルのような球技大国にすることが一生の夢で、“球技ライター”を自称している。

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