瀬戸の復活、池江の代表入りは? 競泳ジャパンOPそれぞれの手応え
白血病による長期離脱から復帰後、初めて表彰台に立った池江。レース後、笑顔も見せた 【写真は共同】
東京五輪の試合会場となる東京アクアティクスセンターで2月4〜7日に行われたジャパンオープンは、国内のトップ選手が顔をそろえた。なぜなら、コロナ禍の影響で日本選手権の欠場を余儀なくされた場合、この大会の記録が五輪選考の対象となる特例措置を日本水泳連盟が2020年12月に追加したからだ。中には、活動停止処分から戻ってきた瀬戸大也(TEAM DAIYA)や、白血病による長期離脱から復帰して調子を戻している池江璃花子(ルネサンス)の姿もあった。
初日優勝も大会後半は振るわなかった瀬戸
日本勢で唯一、東京五輪の出場が内定している瀬戸は、大会初日の男子400メートル個人メドレーで優勝。ライバルで16年リオデジャネイロ五輪の金メダリストである萩野公介(ブリヂストン)らを圧倒する力強い泳ぎを見せた。一方、大会3日目は、男子200メートルバタフライと男子200メートル個人メドレーに出場したが、決勝で3位、8位と振るわなかった。
瀬戸は、初日のレース後に「まず、昨年の行動により、家族をはじめ多くの関係者の皆様に大変ご迷惑をおかけしたことと、日頃より応援して下さった方々に、ガッカリするような行動をとってしまい、本当に申し訳ございませんでした」と、昨年9月に女性問題によりスポンサーの契約解除や日本水泳連盟から活動停止処分を受け、世間を騒がせた事態について謝罪。心を入れ替えて東京五輪の金メダルを目指す意思を表明した。
「自分が表に立つのは、競技しかない。しっかりと競技で結果を出すということは、五輪、その先の世界大会で金メダルを首から下げることだと思っている」
明確になった課題を克服し五輪へ
5カ月ぶりの公式戦となった瀬戸。初日の400メートル個人メドレーでは貫禄のレース運びを見せるも、2種目に出場した3日目はややガス欠気味で体力面の課題も明確になった 【写真は共同】
「技術や水感は衰えていないと再確認できた。あとは、持久トレーニングと耐乳酸能力を上げる、シンプルにそこだけ。そこが戻れば、一気にタイムも戻って、日本記録に挑戦できるようになると思う」
日本代表の平井伯昌ヘッドコーチは「五輪の金メダルとなるとまだまだだと思いますが、きちんと持っている力を出し切るという彼の特性は相変わらずだなと感心しました」と今大会の泳ぎを評価。一方で、「調子は7割程度までは意外と戻るものだけど、最後の頂点を目指すところの1割は時間がかかるもの。内定者なので、五輪までは時間がある。焦らずにやってほしい」と、最後の仕上げに抜かりがないように注文を付けた。
瀬戸は今後、20、21日に行われる東京都オープンに出場する予定。4月の日本選手権では、すでに代表権を得ている個人メドレーに加え、男子200メートルバタフライの出場権獲得も狙う。