『やべっちスタジアム』初回配信に潜入 矢部浩之さんの次なるタクラミとは?
いよいよ始まった『やべっちスタジアム』。11月29日の初回配信は50分を越える中身の濃い内容だった 【斎藤優/DAZN】
変わらないセット、変わらない雰囲気
本番前にスタッフと打ち合わせをする(左から)中田さん、矢部さん、黒木さん。緊張気味の黒木さんを、矢部さんが和ませていた 【斎藤優/DAZN】
「10秒前(とうびょうまえ)、8、7、6……」
一気に緊張感が増すなか、矢部浩之さんはいつものように笑顔で特等席に座っていた。
「どうも、ナインティナインのやべっちです」という第一声とダブルピースに続き、「ちょっと言わせてください。興奮しております」という言葉で、DAZNの新番組『FOOTBALL PROGRAM やべっちスタジアム』は開幕した。
18年半、テレビ朝日で放送されてきた『やべっちF.C.』の最終回から約2カ月。この配信初回に向けて多くの人たちが尽力してきたのだろう。配信開始数時間前からスタジオには、続々と関係者らが集まってきた。現場スタッフたちは、バックヤードで慌ただしく動き回り、続いて出演者が楽屋に入ってくる。そして、「第1回目ということで」と、打ち合わせの時間を迎えた。
スタッフから出演者に「この番組も長く続くように」と、声が掛かる。それに矢部さんは「(同じくらい続いたら)67歳か、ゾッとせえへん?」と反応し、間髪入れずに「おじいちゃんになってもワールドカップ行けてんねやったら」と続けて場が和む。番組概要の説明へと移り、「皆さん、楽しんで」の声で、各々が楽屋へと戻っていった。
番組開始を祝い、豪華な花で彩られた既視感のあるセットの前でリハーサルは進み、徐々に配信時間へと近づく。出演者が席に着き、矢部さんもスタジオに入ってくる。セットを見回し、自分の席に腰を落とす。座り心地を試し、「座り慣れしている感覚。全然変わらない」と頬が緩む。
視線を隣に移すと、「緊張する」という番組アシスタントの黒木ひかりさんが、本番を前に矢部さんに「緊張しないんですか?」と尋ねた。
それに対して「話すのを30年仕事にしてきたからね」と矢部さん。黒木さんから「すごいですね」と言われて、「褒められて伸びるタイプやから、もっと言って」と返すと、現場が笑いに包まれ、本番直前の緊張感が少しだけ緩んだ。
小学生時代にサッカーをやっていたという黒木さん。知識については「これから勉強していきます!」と意気込む 【青山知雄/DAZN】
「まもなく本番1分前」の声が掛かる。フロアに秒読みが始まり、ディレクターが手を回す。
「全国のサッカーファンの皆さま、こんばんは。そして、お待たせいたしました。日曜の夜に、やべっちが帰ってまいりました。DAZNさんありがとう!」
MCのあいさつに続き、解説の中田浩二さんとの掛け合いから初回の配信が進み、「新しい仲間も加わりました」と、黒木さん、田口尚平アナウンサーが紹介される。
そして、配信日の4日前に、3度目のJ1制覇を成し遂げた川崎フロンターレの、ガンバ大阪との優勝決定試合のハイライト映像が流される。そこには『やべっちF.C.』から変わらない“ために”が存在した。
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