クラブの歴史を作ってきた男は今までも、これからも挑戦を続ける

ルリーロ福岡 殿元選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

クラブ創設と同時に加入し、今季で4シーズン目を迎える殿元政仁。その端正な顔立ちは、見る者を一瞬で引きつける。だが、試合となればプレースタイルは別物。泥だらけになりながら果敢にタックルを繰り返す姿は、まさに“泥臭い”という言葉がぴったり。「ルリーロ福岡(以下、LR福岡)には派手なプレーができる選手がたくさんいる。自分はタックルの回数や倒れて起きるスピードなどハードワークを積み重ね、そうした選手たちをつなぐ存在になることを心掛けています」。そう静かに語る目には、確固たる意志が宿っている。

「チームとして結果が出せていない部分があり、やりたいことが統一されていなかったと感じています。個人としても流れを変えるようなプレーが十分にできず、不完全燃焼の気持ちです」。その言葉からは、次こそはやってやるという闘志がにじみ出る。

殿元のラグビー経歴は一風変わっている。専修大学を卒業後、JR九州に就職したものの、ラグビーへの情熱をどうしても捨て切れなかった。「(当時のジャパンラグビー )トップリーグでプレーしたいという思いが強くなり、1年弱で退職しました。そしてフリーになり、ニュージーランドにラグビー留学をして経験を積みました」。その後、2021年に念願かない宗像サニックスブルースに入団。しかし、シーズン終了後にチームは活動休止に。進路を模索していた殿元に舞い込んできたのが、LR福岡創設の話だった。

「地元福岡でゼロからラグビーチームを作る挑戦に大きな魅力を感じました。ここで自分のラグビー人生をもう一度輝かせようと決意しました」

現在、殿元はLR福岡のオフィシャルパートナーである印刷会社のWEB部門で働きながら、練習にも励む。「練習と仕事の両立は大変ですが、会社の理解があり、柔軟に対応してもらっています。充実しています」。ラグビー選手として、そして社会人として奮闘する生活は、多忙ながらも満たされている。

挑戦し続ける強さとゼロから歴史を作る喜び。が、殿元にとっての何よりの原動力だ。「下克上上等、僕たちは成り上がります。まずは1勝、そこからどんどん勝っていきたい」。そう語る彼の表情には、泥臭いプレーを支える情熱と自信があふれている。

端正な顔と泥だらけのプレー。そのギャップに多くのファンが萌えるのだ。

(柚野真也)

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