日本ハム戦中継で人気の名コンビ 岩本勉と近藤祐司アナの「はひふへほ対談」
中継で何十試合とコンビを組んできた2人の掛け合いは絶妙。岩本氏(左)が言う「はひふへほ」の全ての要素が盛り込まれた楽しい対談に 【平尾類】
2人の掛け合いが人気を博し、スポーツナビがファンに投票を募った「好きな実況アナランキング」で近藤アナが1位、「好きな解説者ランキング」で岩本氏が3位に選ばれた。今回の対談は何度も話が脱線しながらも、視聴者からのクレームに心が折れそうになった過去の苦労話、このコロナ禍で感じた観客の存在の大きさなどについて熱く語り合ってくれた。
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批判殺到でやめようと思ったことが何度もある
近藤祐司(以下近藤、敬称略) かぶってもいいじゃないですか(笑)!
岩本さんとGAORAでコンビを組ませていただいて6年が経つんですね。岩本さんは誰に対しても同じ態度で接してくれる。当時(6年前)の僕はアメリカンフットボール、メジャーリーグなど海外スポーツの実況をしていましたが、日本のプロ野球実況は新人で。でも最初から優しく包み込んでくれた。学年で言うと2つ上の先輩で兄貴的存在です。
岩本 定型文、パーフェクトです! 当時GAORAで新しい人が来るとなって、実況のテイストが変わるのは間違いないと思ったんです。近藤さんはアメフトを学生時代にやってトップ(日本代表)までいって、アスリート心を熟知している。あと帰国子女やったんですよね。僕も19、20歳の時に野球留学して、米国や中南米の選手たちの野球や人生に対する価値観が新鮮やった。だから一緒にやるのがすごく楽しみで。
僕は人に対して警戒心を持たないんです。年上の方には先輩として敬意を払うけど、年下は5個下まで同世代でくくる。近藤さんは独特でしょ? でも彼のやっていることを全部肯定しようと。この実況スタイルに賛否両論あるだろうけど、これが近藤祐司だと。批判を受けたら一緒に受けようと。同じ船に乗っているんやから。
近藤 今のスタイルをやめようかなとひるんだことは何度もありましたよ。三者凡退を「ワン・ツー・スリー」、ホームランを「イッツ・ゴーン‼(It's gone‼)」と言ったらクレームがたくさん来て。でも試合後のスタッフを入れたミーティングで、岩本さんが「続けろ」って何度も言ってくれた。使っているうちに「ああいう奴やねんってなるから」って。
岩本 確かにあの時は心が折れかけていたよな。GAORAは日本ハムが東京に本拠地を置いていた時代から試合中継をしてくれているので、思い入れが強いんです。多くのスポーツチャンネルがある中で一番になりたかった。そのための方向性として彼のやっている実況は間違っていないと。人の心に残るワードをたくさん持っていた。あとは視聴者に理解してもらうための努力でした。
いきなり「ペイオフ」と言われても聞いている方はわからない。それなら『フルカウント、ペイオフ』、『三者凡退、ワン・ツー・スリー』と付け加えるだけで全然違うと話したり。浸透するのに2、3年かかったけど、その後は持ち味炸裂(さくれつ)ですよ。彼も僕も調子乗りですから。
近藤 本当に岩本さんのおかげです。日本ハムファンが多い北海道の方が聞いてくれたことも大きかった。北海道はフロンティア精神があるので、新しいものを取り入れてくれる。他球団だったらこの実況スタイルが受け入れられず、早い時期にやめていたと思います。
岩本 そう、北海道の人たちは流行に敏感なんです。でも熱しやすく冷めやすいわけじゃない。浸透したら支えてくれる。ダルビッシュ有や大谷翔平がメジャーに行ったタイミングだったのもよかった。視聴者がメジャーの中継を見るようになって、近藤さんのスタイルが受け入れられるようになりましたね。あとはGAORAが僕ら2人のやりとりを止めなかったことも大きい。捕手のブロッキングがうまいのを見て、僕が「元ドイツ代表のオリバー・カーンを彷彿(ほうふつ)とさせますね」と言った時も問題なかった。もちろん真面目に話している時間が大半やけど、たまには脱線してもいいと思う。野球は楽しいスポーツやから。
クレーマーこそ最大の顧客
当初は非難の声に晒されたという独特の実況スタイルは、徐々にファンの間に浸透し、今では多くの視聴者に支持されている。岩本氏の全面的なサポートがあったからこそだと、近藤アナは感謝の言葉を口にする 【平尾類】
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