あのプロ野球解説者のここがスゴイ! 熟練の実況アナを唸らせる5人とは?
平成唯一の三冠王、松中氏の打撃理論にはいつも感心させられるという 【写真提供:加藤暁】
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他の解説者より2歩くらい先を見ている
現役時代は阪神や大洋(現DeNA)などで正捕手として活躍した若菜氏。現在は出身地であり、選手、コーチとしても親しんだ福岡を拠点に活動しているが、試合展開など先を見通す能力が傑出しているという 【写真提供:加藤暁】
まだ無観客だった時が特にそうだったのですが、その試合の「物語」をより浮き立たせるように努めています。今年はじっくりと観てくれている視聴者が増えたと思いますし。「物語」を伝えるというのは、もともと実況アナとしてとても大事にしている部分ですが、今年は特にそれを意識しています。
ひとつの試合の中でも序盤、中盤、終盤という流れがあって、そこにはさまざまなドラマがあります。また選手を個別に見ても、昨年から続くドラマ、あるいはここ数週間のドラマというのもあるでしょう。そういうドラマを視聴者に届けたい。ですので、取材をして、できるだけ選手から直接話を聞くようにもしています。その選手が何に苦しんでいるか、スランプからどう脱したか。そういう話も視聴者に伝えるよう心掛けています。
現在はコロナ対策で、選手や監督に直接取材ができないのでもどかしいところがありますね。だからこそ、自分自身も担当がない時は中継を見て選手の変化を見逃さないようにじっくり観察しています。
――他に例年との違いはありますか?
観客がいなかった時は、いる状況をイメージしながらしゃべっていました。この場面では、観客はどんな感情でどう反応するか。そういうイメージです。その意味で、むしろ観客が入るようになってからのほうがやりにくさがありますね。ファンは大声を出したくても出せないじゃないですか。いつもなら盛り上がるような場面でも拍手の音が聞こえるだけなので、どうも調子が狂うというか(苦笑)。かえってシーンとしていたほうが、自分の感覚でやれて平時の雰囲気をイメージしやすいです。でも今の状況も何試合か経験して慣れてきました。これからは無観客の時と同じように、大勢のファンが思い思いに応援している光景をイメージしながら実況できればと思います。
――加藤さんはKBC(九州朝日放送)時代からプロ野球中継に携わり、フリーになってからはさまざまな球団の試合を担当されてきました。フリーになって20年くらいでしたか?
そうですね。20年近くになります。
――その間、多くの解説者とコンビを組んできたと思います。その中で特に、この人はスゴイと思った解説者はどなたでしょう?
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