2020年、セ・リーグ期待の若手選手たち 根尾、小園ら高卒2年目の成長にも注目
2年目の根尾は進化の予感を抱かせる
2軍では成長の兆しを見せている根尾。今季は1軍で初ヒットを目指したい 【写真は共同】
「高卒2年目」という枠なら、中日の根尾昂を語るべきだろう。18年の春夏連覇など、3度甲子園を制した大阪桐蔭高の最強世代を代表する存在だ。1年目はプロの壁にぶち当たる形で2軍暮らしが続いたが、試行錯誤しながらも徐々に自らの形を見つけはじめている。特に活動禁止期間が明けた後の6月の練習試合では、計8試合で31打数10安打の打率.323をマーク。昨季は2軍でも打率.210だっただけに、進化の予感を抱かせる。まずは2軍でしっかりとした実績を残し、1軍初安打からの大活躍へとつなげてもらいたい。また、中日には今年のドラフト1位・石川昂弥もいる。将来の4番として、こちらもまずは2軍が舞台になるが、そこで結果を出せば、シーズン終盤には1軍でのチャンスも到来するはずだ。大卒ルーキー捕手の郡司裕也も期待大。慶応大の司令塔として培った頭脳的なリードだけでなく、東京六大学リーグの三冠王に輝いたバッティングも魅力。早い段階で正捕手の座を奪取する可能性もある。
根尾以上に今季の1軍での活躍が渇望される存在が、広島も高卒2年目・小園海斗だろう。報徳学園高からドラフト1位で入団した昨季は、春季キャンプから物怖じしないプレーで実力をアピールし、高卒1年目ながら1軍で58試合に出場。4本塁打を放ち、大器の片りんを見せた。プロの舞台に慣れた今季は、攻守ともにレベルアップし、チームの戦力として働いてもらいたい。また、高卒4年目の坂倉将吾にも注目だ。1年目から2軍で結果を残し、1軍でも昨季は代打中心ながら51試合に出場した。2軍では2年連続で打率3割を大きく上回る成績を残しており、今季は1軍の舞台でも打率3割に期待したい。
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井上をはじめ、阪神の高卒ルーキーに注目
早くも2軍戦では長打を量産している井上 【写真は共同】
野手陣の世代交代を推し進めたい阪神には、昨秋のドラフトで可能性を秘めた多くの高校生が入団したが、その中で2位指名された井上広大の成長ぶりに着目したい。履正社高の4番として、チームを夏の甲子園初優勝に導いた和製大砲。現状、即1軍での活躍は難しいだろうが、将来の4番打者となるべく心身ともに鍛え上げてもらいたい。同じく、昨秋のドラフトで4位指名された高卒ルーキーの遠藤成も、退団した鳥谷敬(現・千葉ロッテ)の後継者として、プロでどのようなスタートを切るのか注目だ。
最後に、昨季最下位からの巻き返しを図るヤクルトでは、すでに球団の宝となった村上以外にも高卒5年目の廣岡大志に期待。智弁学園高から2015年のドラフト2位で入団し、昨季は自己最多の91試合に出場して10本塁打を放った。今季はレギュラー獲りを狙える位置にいる。その他、高卒4年目の捕手・古賀優大も昨季は2軍で打率.290をマークした逸材。今季は開幕戦の延長10回に代打で登場し、初打席でヒットを放つ幸先の良いスタートを切った。チームには今季、ベテラン捕手の嶋基宏が加入したが、強肩だけでなく“打てる捕手”へ進化中の古賀にも多くの出番が回ってきそうだ。
ここまで多くの未来ある若手選手たちを紹介してきた。まだ2020年のプロ野球シーズンは始まったばかり。彼らの活躍が、ファンに新たな勇気を与え、コロナ禍を乗り越えた新たな時代への追い風になる。
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