ラ・リーガ再開、久保建英、南野拓実…ディエゴ・フォルランに聞く

豊福晋

ウルグアイからオンラインインタビューに応じてくれたフォルラン。現在はペニャロールで監督を務める 【スポーツナビ】

 6月11日に再開したラ・リーガのアンバサダーであるディエゴ・フォルランがインタビューに応じてくれた。フォルランは現在、ウルグアイで古巣ペニャロールの監督を務めている。オンラインインタビューでは元気そうな姿を見せ、ラ・リーガ再開やアトレティコ・マドリーについて語ると同時に、久保建英、セレッソ大阪でチームメートだった南野拓実にも言及。世界の第一線で活躍したストライカーの目に久保、南野はどう映るのか(インタビューは6月10日に収録)。

ウルグアイでは普通の日常を過ごしている

――ウルグアイでの新型コロナウイルス感染の状況はどうですか? 同国はアメリカ大陸で最も低い感染者数で、世界から称賛も浴びています。

 他国と比較しても状況は良いと思う。ウルグアイは一度も強制的な都市封鎖がなく、あくまでもそれぞれの判断に任せたものだった。今でもウイルス感染者は70人と少しくらいだし、首都のモンテビデオでも大したことはなかった。人々は普通の日常を過ごしているよ。学校も始まったから子供たちも日常に戻っている。サッカー界も同じだ。僕は今、ペニャロールの監督をやっているけれど、来週には練習も再開し、8月1日にはリーグ戦が始まる。

――ウルグアイ社会の新型コロナウイルスに対する取り組み方についてはどう考えていますか?

 とても良い対応ができたと思う。僕らにはひとつのアドバンテージがあった。人口の少なさだ。ウルグアイはわずか350万人の小国で、コンパクトであることが幸いし、今回のような非常時に対応しやすかった。ウルグアイ政府は素晴らしい対応を見せたし、国民も自ら抑制し、感染拡大防止に貢献した。小国であっても感染者が多かったところもあったわけで、その意味でウルグアイはパンデミックに国がひとつとなり立ち向かうことができた。ウルグアイ国民であることに誇りを持っているよ。

――クラブの監督としては、この時期は難しかったのでは?

 もちろん練習もできないから普段とは違ったけど、それは誰もが同じこと。監督であっても、君のような記者であっても、どんな仕事をしていても、新しい日常の中で生きていかなければならなかった。今回のパンデミックは世界的に想像を超えた危機だった。その中でポジティブなことを見つけるならば、時間があったということだね。家族、息子や妻と長い時間を過ごすことができたから。

ラ・リーガ再開のポイントはコンディション

ラ・リーガは無観客試合で再開。久保が所属するマジョルカはバルセロナと対戦した 【写真:ロイター/アフロ】

――約3カ月間の休止期間を経て、ついにラ・リーガが再開しました。残りの11節では何に注目していますか?

 まずはバルサと(レアル・)マドリーの優勝争いだ。現在は勝ち点2差で、残り11試合も残っている。今後どう転ぶかはまったく分からないし、最後まで白熱した争いが繰り広げられるだろう。そしてチャンピオンズリーグ(CL)出場権も僅差で複数のクラブが争っている。僕がプレーしたアトレティコやビジャレアルもいるし、個人的にも彼らの戦いからは目が離せない。残留争いもあるし、楽しみな試合ばかりだ。注目したいのは、それぞれのチームがどんな状態で戻ってくるのかということ。選手個々のフィジカルコンディションも気になる。ここから1カ月間は3日おきに試合がやってくる。コンディションが一番のポイントだ。

――シーズン中、約3カ月間プレーしない空白期間を過ごすというのは選手にとっても難しいのでは?

 難しいと思う。僕も契約の問題でプレーできない時期を経験したこともあったから、個人的にもその困難は分かっている。コンディションさえ保てていれば問題はないとは思うけど。

――試合は無観客で行われます。

 これは普段とは全く異なる部分だ。ただ、ある意味では興味深い点でもある。ホームとアウェーの差がなくなるからね。ホームでもアウェーでも拮抗したイーブンな試合になる。実際、一足早く始まったブンデスリーガでもそうなっているように。

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著者プロフィール

ライター、翻訳家。1979年福岡県生まれ。2001年のミラノ留学を経てライターとしてのキャリアをスタート。イタリア、スコットランド、スペインと移り住み現在はバルセロナ在住。5カ国語を駆使しサッカーとその周辺を取材し、『スポーツグラフィック・ナンバー』(文藝春秋)など多数の媒体に執筆、翻訳。近著『欧州 旅するフットボール』(双葉社)がサッカー本大賞2020を受賞。

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