「ジブリの世界観や音楽が心に…」 岩政大樹の人生を変えた作品とは?
岩政が紹介するオススメの本「3選」
岩政大樹「自分たちが先を行くためには、過去を学び、そのうえで未来を自分で考えることが大事。そのためにも読んでおきたい一冊」 【スポーツナビ】
まずは三島由紀夫の『命売ります』です。三島由紀夫か、日本文学か、ハードル高いな、と感じる人もいると思います。実際、僕もそうでした。でも、本屋で「これは面白い」と宣伝されていたので手にとってみたら、本当に面白かった。これをきっかけに僕は一時期、日本文学にハマりました。『金閣寺』や『仮面の告白』などと違って、読みやすく面白いので、日本文学を読む最初の1冊としてオススメです。
次は『世界標準の経営理論』。経営の本なのですが、まさに、この時期だからオススメしたい1冊です。というのも、800ページ以上あるのです。僕もStay Homeが奨励されているこの時期でなければ、手を伸ばしていないかもしれません(笑)。
僕はたまに企業に招かれ、講演をさせていただくことがあります。そのとき、拙著の『PITCH LEVEL』を読んでくれた方が、「サッカーも、ビジネスと一緒なんですね」とおっしゃってくれることがけっこうある。
そのとき、僕は「そうなんですね。ありがとうございます」と返事をするものの、自分ではどこが“一緒”なのか、深く考えたことがなかった。
いつか勉強しないとな、と思いながら時間がたっていたのですが、先日、本屋でこの本と出会いました。パラパラとめくると、分かりやすそうだったので、よし、これを機にビジネスの基礎を学び、実際にサッカーとどうリンクするのか勉強してみよう、と思ったわけです。
この本はまず理論の話から入ります。現代にはいろいろな経営理論のフレームワークの本があふれていますが、大事な根源的な理論はシンプルなことばかりだと。そこがもう、サッカーと似ていて、サッカーでも戦術論の本がたくさんありますが、大事なのは、それらもすべて原理原則を押さえるためのものですよね。
さらにそこから、経営の組織論、つまり、一人ひとりや組織全体をどうマネジメントしていくかの話に転換していくのです。この点もサッカーと同じだと感じました。
僕は今、大学生と接する機会もあり、彼らに「サッカーを引退したあとも、ビジネスやサラリーマン生活でも生かせるよ」などとアドバイスしてきましたが、これからはより具体的な話ができそうです。
続いて『プレミアリーグ サッカー戦術進化論』。こちらもかなり分厚い本です。
日本のサッカーとヨーロッパのサッカーは時差があり、ヨーロッパではやった戦術が5年、10年遅れて日本に入ってくる傾向があります。そして、それが日本で浸透した頃には、ヨーロッパはさらに進化している、という流れの繰り返し。これでは、いつまでたっても追いつくことができません。自分たちが先を行くためには、過去を学び、そのうえで未来を自分で考えることが大事。そのためにも読んでおきたい一冊です。
岩政が紹介するオススメの映画「3選」
『キサラギ』は、たしか当時大きなプロモーションが行われたわけではなく、あまり知られていないかもしれませんが、自殺したマイナーアイドルとそのファンたちの話で、物語が密室の中で進んでいき、二転三転しながら真相を究明していって、とても面白かったです。
『ブレイブハート』は、歴史好きということもあって、もう5、6回は見ていると思います。スコットランドの独立のために戦った主人公の生涯を描いた映画で、自由を求めて、先頭に立って困難に立ち向かっていく姿に、感動しました。
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これから読みたい本と見たい映画は?
『坂の上の雲』は、例えば、岡田武史さんとか、サッカー界でもバイブルにされている方が多いので、ずっと興味があるんですけど、文庫で8巻もあるので、これまではなかなか手が伸びなかった。だから、今は読むチャンスかなと。
『新聞記者』は以前、イタリアに行ったときの機内で見ようと思っていたんですけど、読書に切り替えて、見るのをやめてしまったんです。そのあと、日本アカデミー賞の最優秀作品賞などに輝いたので、やはり見ておくべきだったなと(笑)。だから近いうちに見るつもりです。
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