コロナ禍における韓国プロ野球の対策 NPBより早い開幕、工夫するにも限界が?

室井昌也

ファンは「Zoom」で声援

KTウィズは「非対面ライブ応援」を企画。無観客での開幕が検討されている日本でも参考になりそうだ 【写真:kt wiz】

 5月5日の開幕戦は全5試合が観客なしで行われた。スタンドにファンはいないが、ホームチーム5球団中4球団が内野の応援ステージに応援団長とチアリーダーを配置。マスク姿のメンバーたちはスピーカーから送出される選手別の応援歌などに合わせてコールやダンスを行った。なお、サムスンだけは社会的距離確保の強化期間が5日までということで、6日から応援を行うとしている。

 水原(スウォン)が本拠地のKTウィズは開幕戦に合わせて、「非対面ライブ応援」という企画を実施した。KT球団は一塁側のステージの上に約400インチ(幅10メートル、高さ6メートル)のLEDモニタを設置。そこにはテレビ会議アプリ「Zoom(ズーム)」に参加する先着300人のファンの映像が映し出され、応援団長やチアリーダーのリードに合わせて、ファンが選手に声援を送った。KT球団広報チームのイ・サングク次長はこの企画の実施意図についてこう説明した。

「シーズンが無観客で始まりそうだ、と分かった3〜4週間前から準備を進めてきた。ファンを球場に迎えられないという残念さ、どうやったら交流できるかと考えた結果、リアルタイムで喜びを分かち合える方法として思いついた」

 KTの親会社は通信事業者だ。イ・サングク次長は「場内の通信環境が良いからできる企画だと思う」と話した。この非対面ライブ応援は無観客試合が続く限り、すべてのホームゲームで行う予定だ。

グラウンド組が感じる「やりにくさ」

韓国語で無観客の「無(ム)」と同じ「ム」という発音のため、大根が描かれた観客席 【写真:SKワイバーンズ】

 一方、観客がいない中で試合を行うことについて、グラウンド組はどうか。中日や東北楽天などでコーチを務めた、LGツインズの芹澤裕二バッテリーコーチは、「集中力に欠けるので難しい」と話した。また「きょうはホームだったので攻撃の時は音があったけど、守っている時は静かなので声が通り過ぎる」と普段なら歓声でかき消される指示が、すべて相手側に届いてしまうやりにくさを感じたという。

 当初の予定より38日遅れで公式戦をスタートさせた韓国プロ野球。今月中旬には観客を迎えての開催時期について話し合われる見込みだという。

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著者プロフィール

1972年東京生まれ。「韓国プロ野球の伝え手」として、2004年から著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』を毎年発行。韓国では2006年からスポーツ朝鮮のコラムニストとして韓国語でコラムを担当し、その他、取材成果や韓国球界とのつながりはメディアや日本の球団などでも反映されている。また編著書『沖縄の路線バス おでかけガイドブック』は2023年4月に「第9回沖縄書店大賞・沖縄部門大賞」を受賞した。ストライク・ゾーン代表。

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