掲げる目標は15得点と10アシスト 宇佐美貴史こそがG大阪の“旗頭”だ
「誰よりも僕が一番自分に期待している」。宇佐美は結果を出すことでサポーターからの信頼を得る 【(C)J.LEAGUE】
魅惑の攻撃サッカーこそ「GAMBAISM」
「僕の役割はチームに勝点3を付けること」
ドイツで悩める日々を過ごしていた宇佐美貴史が、本来の輝きを見せ始めると、やはりG大阪の攻撃はひと味もふた味も違ってくる。
シーズン終盤の5試合中、4試合で相手ゴールネットを揺らし、計5得点。数字上の貢献度はいうまでもないが、和製エースの得点に歓喜するサポーターのチャントはチームに独特の「イケイケ感」をもたらすのだ。
クラブ史上初めて2年連続で同じスローガン「GAMBAISM」を掲げる今シーズン、タイトル奪回を明確な目標に掲げるG大阪だが、その旗頭となるべき男が宇佐美である。
ややもすると曖昧な概念となりがちな今季のスローガンではあるが、アカデミー育ちのタレントが魅惑の攻撃サッカーを披露することは紛れもなく「GAMBAISM」であるはずだ。
宇佐美が中心となることを遠藤も期待
「ああいう戦い方ができるということを見せられたのは良かったけど、僕らは常にマリノス戦のような戦い方をするチームじゃない。どちらかといえば、マリノスが僕たちに対してやったサッカーをしないといけない」
3バックを基本布陣としながらも、対戦相手に応じては4バックも採用する今シーズン、各ポジションに控える多士済々の人材をいかに組み合わせるかは指揮官の腕の見せ所ではあるが、ひとつだけ揺るがない事実は、宇佐美がエースであるということだ。
スタイルこそ異なるものの、西野朗監督や長谷川健太監督が率いた「強いガンバ」には、常に頼れるエースがいた。古くはアラウージョやマグノ・アウベス、そして2014年の三冠達成を支えたのは紛れもない宇佐美だった――。
FWが安定稼働する重要性と安心感を知り尽くす遠藤保仁も言う。
「チームとしてはできるだけFWに点を取って欲しい。タイトルを取るためには爆発的な攻撃力も必要になるし、貴史が中心になっていくことを期待している」
安易な思いで出戻ったわけではない
開幕を控えた2月のある日、こんな本音を明かしたことがある。
「プロに入ってからずっとそうですけど、サポーターの誰よりも僕が一番自分に期待しているし、自分自身が一番結果を求めている」
昨年6月、2度目の欧州挑戦を終え、愛する古巣への復帰を決めた記者会見で「2度目も個人的にはダメだった」と率直な思いを口にした宇佐美だが、決して安易な思いで出戻りを決意したわけではない。
「結果を出さないと僕が帰ってきた意味がないし、サポーターも認めてくれないと思う」
今シーズン、宇佐美が掲げる目標は15得点と10アシスト。昨季終盤の充実ぶりを考えれば、決して高いハードルとは言えない数字である。
「一発のサイドチェンジとかスルーパスでスタジアムの空気を変えることができると思っている。でも、まずは点を取れる場所に常にいたい」
宮本恒靖体制3年目で常勝軍団復活を目指すG大阪。万能エースのフル稼働が不可欠となる。
(企画構成:YOJI-GEN)
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