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MLBが迎えた史上最大級の危機
日本人メジャーリーガーは困難な調整へ

MLBは一体いつ開幕するのか?

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ目的で、MLBの開幕は5月中旬以降に変更となった。前代未聞の事態に、今後どんな影響が考えられるのだろうか
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ目的で、MLBの開幕は5月中旬以降に変更となった。前代未聞の事態に、今後どんな影響が考えられるのだろうか【Getty Images】

 ほんの1週間ほど前まで、メジャーリーグはほとんど通常通りのペースで開幕に向かっていた。多くのチームがキャンプ地にしているフロリダも、いつもの開放的な空気。世界中を震撼(しんかん)させている新型コロナウイルスの話題は少しずつ増えていたが、それでも大きな変化のないまま進んでいるように思えた。


 ところが――。3月11日(現地時間、以下同)、NBAプレイヤーからウイルス感染者が出たのをきっかけに、事態は雪崩のように猛スピードで進んだ感がある。大げさではなく、短期間に世界は変わったのだ。


 シーズン中断、延期を早々と発表した他のメジャースポーツ同様、MLBも3月12日にオープン戦を中止。シーズン開始を当初の3月26日から少なくとも2週間は遅らせることを決定した。さらに16日には米疾病対策センター(CDC)から今後8週間、50人以上が集まるイベントを自粛する要請が出たのを受けて、開幕は5月中旬以降にずれこむことがすでに確定している。


「MLBはファンに2020年のスケジュールをアップデイトしていく。シーズンが始まって以降、可能な限り多くのゲームを行うつもりだ」


 MLBの声明文にはそう記されていたが、今後を考えると、あまりにも未知数の部分が多いというのが正直なところだ。一体いつ開幕するのか? 何試合が行われるのか? まったく分からない。

田中「来た時にしっかりと上げられるように」

順調に調整を進めていたヤンキース・田中も大幅なスケジュール変更を余儀なくされた
順調に調整を進めていたヤンキース・田中も大幅なスケジュール変更を余儀なくされた【Getty Images】

 ベストケース・シナリオは5月中旬から準備がスタートすることだが、その後に選手は数週間のキャンプが必要になる。だとすれば開幕はどんなに早くても6月だろうし、コロナの影響次第でさらに遅れても不思議はない。いや、被害がさらに広がり、収束が遅れた場合、シーズンが中止されても、もうまったく驚くべきではないのだろう。


 ここではやはり楽観的に夏場前には開幕することを願い、そう仮定して話を進めたいが、それでも選手たちの調整が極めて難しいことは想像に難くない。日程がはっきりしないため、開幕日から逆算して身体を作ることはできない。オープン戦終了後はグループでのワークアウトを避けることが推奨されており、試合形式の練習ももうこなせない。


「(調整のペースは)落とすと思いますよ。ターゲットとなる日がはっきりと決まってないわけなんで、決まってすぐ始まるということはないとは思うので、ある程度少し準備する期間というものが出てくると思う。そこに来た時にしっかりと上げられる状態だけは保っておきたいと思います」


 3月15日、ヤンキースの田中将大は、オープン戦中止後初めて日米のメディアに対応し、今後についてそう述べた。厳しい状況下でも丁寧に質問に答えてくれた田中のプロ意識は見上げたものだが、戸惑いが感じられたその言葉は、選手たちが置かれた環境の異常さを物語っているようでもあった。

杉浦大介
杉浦大介

東京都生まれ。日本で大学卒業と同時に渡米し、ニューヨークでフリーライターに。現在はボクシング、MLB、NBA、NFLなどを題材に執筆活動中。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボール・マガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞・電子版』など、雑誌やホームページに寄稿している。2014年10月20日に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)を上梓。Twitterは(http://twitter.com/daisukesugiura)

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