MLBが迎えた史上最大級の危機 日本人メジャーリーガーは困難な調整へ
答えの見えない疑問が山積み
投手として復帰を目指す大谷(写真左)ら日本人メジャーリーガーにとっても難しい調整を強いられる 【写真は共同】
ただ、巨大な闇に包まれたような現状では、どんな調整が難しくとも、選手たちもとにかくシーズンが救われてほしいと願っているのかもしれない。これ以上被害が広がることなく、なるべく早く通常に戻ってほしい。それはもちろんファン、メディア、関係者も同じ思いである。
2001年の米同時多発テロ事件以降、初めてニューヨークで行われたメッツ対ブレーブス。8回に飛び出したピアザの逆転ホームランは、ニューヨーク市民に勇気を与えた 【Getty Images】
テロ勃発後初戦のメッツ対ブレーブス戦では、8回裏にマイク・ピアザがすでに伝説となった特大逆転ホームランを放った。そんな名シーンに震えるとともに、スポーツが文化として定着したアメリカの底力を感じたものだった。
ただ……ウイルスという目に見えない敵の前に、今回ばかりは米スポーツ界も対抗策が見つけられていない。関係者の誰もが少なからず無力感を感じながら、行方には答えの見えない疑問が山積みだ。
2020年のレギュラーシーズンはいったいいつ開幕し、何試合が行われるのか? 7月のオールスターゲームはどうなるのか? ワールドシリーズの挙行は11月に持ち越されるのか? さらに先まで見据えると、来春に開催予定のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にも影響が及ぶのか……?
全世界の他のスポーツと足並みを合わせ、ナショナル・パスタイム(国民的娯楽)は史上最大級の危機を迎えているのだろう。1つだけはっきりしているのは、今季がさまざまな意味で歴史的なシーズンになるということだけである。