南野拓実のベストポジションは? 課題はリバプールの「速さ」への適応

田嶋コウスケ
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リバプールの一員になって1カ月。まだ公式戦出場3試合と出番は限られているが、チームが南野に期待を寄せているのは間違いない 【写真:ロイター/アフロ】

 南野拓実の加入以来、リバプールのユルゲン・クロップ監督はこの日本代表MFをチームに取り込もうと模索を続けている。現ヨーロッパ王者にして世界王者は、いったい彼に何を期待しているのか。入団から1カ月がたち、指揮官の考えがおぼろ気ながら見えてきた。長く低迷していたイングランドきっての名門を立て直し、最強軍団を作り上げたドイツ人監督が南野の存在とともに見据えるのは、チームの未来とさらなる成功だろう。

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クロップ監督の賛辞を言葉どおりには…

 日本代表の南野拓実が、リバプールに加入して1カ月が経とうとしている。

 昨季の欧州チャンピオンズリーグで頂点に立ったリバプールは、昨年12月にクラブワールドカップも制し、名実ともに世界王者となった。ここ30年でもっとも充実した時期を迎えていると言えるが、そんな上昇気流に乗るチームに南野が加わった。ユルゲン・クロップ監督が日本代表MFを獲得した理由は、いったいどこにあるのか──。この1カ月でおぼろ気ながらその狙いが見えてきた。

 現時点で、南野の立ち位置はバックアッパーである。基本システムの4-3-3の3トップには、ロベルト・フィルミーノ(CF)、サディオ・マネ(左FW)、モハメド・サラー(右FW)という世界最高峰の3人が君臨。インサイドMFにも、ジョルジニオ・ワイナルドゥム、ジョーダン・ヘンダーソン、アレックス・オックスレイド=チェンバレン、ナビ・ケイタといった実力者がそろう。スタメンを勝ち取るのは容易ではなく、南野はチーム練習の紅白戦でも控え組でプレーしている。

 とはいえ、チームに加入してからここまで、クロップ監督は一貫して南野を評価する言葉を口にしてきた。南野のデビュー戦となったエバートンとのFAカップ3回戦の後には、「スーパー・アウトスタンディング(極めて優れていた)」と褒めたたえ、途中出場したプレミアリーグのウォルバーハンプトン戦の後にも、「リーグ戦の初戦にしては規格外の出来だった」と絶賛した。まさに最大級の賛辞と言えるだろう。
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著者プロフィール

1976年生まれ。埼玉県さいたま市出身。2001年より英国ロンドン在住。サッカー誌を中心に執筆と翻訳に精を出す。遅ればせながら、インスタグラムを開始

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