スローペースを読んだ松岡の好騎乗光る 2001年以来の快挙、香港国際で日本馬3勝

JRA-VAN

オーナーへの弔い星、アドマイヤマーズ強襲

11月17日に亡くなった近藤利一オーナーに捧げる勝利、スミヨンに導かれたアドマイヤマーズ(青帽)がラスト100mで一気に差し切った 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 香港マイル(芝1600m)には4頭の日本馬が出走した。2番人気のインディチャンプ(牡4歳、栗東・音無秀孝厩舎)とペルシアンナイト(牡5歳、栗東・池江泰寿厩舎)はスタートが今一つで後方からに。1番人気のビューティージェネレーションをかわしてハナに行ったのは同じ香港のカーインスター。アドマイヤマーズ(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)が中団5番手で、その後ろの6番手にノームコア(牝4歳、美浦・萩原清厩舎)、徐々に番手を上げたインディチャンプとペルシアンナイトがこれに続く形で前半は48秒台。マイル戦としては緩い流れで勝負どころを迎えると、後続も先頭集団との差を詰めて直線へ。

 スローペースに乗じてビューティージェネレーションが早目に抜け出しにかかったが、ラスト100mでこれを捉えたのがアドマイヤマーズ。他の日本勢が伸びあぐねるのとは対照的に伸びると、外から追い上げてきたワイククを半馬身抑えて先頭でゴール。ビューティージェネレーションは3着に粘り、4、5着がノームコアとペルシアンナイト。インディチャンプは7着に敗れた。勝ち時計は1分33秒25で騎乗したのはフランスの名手C.スミヨン騎手だった。

ウインブライトが香港2000mGI春秋連覇

香港カップを制して歓喜の抱擁をする松岡、スローペースを読んだ好騎乗が光った 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 メインとなる香港カップ(芝2000m)は8頭立て。唯一の日本馬ウインブライト(牡5歳、美浦・畠山吉宏厩舎)は大外8番枠。スタートで出負けをしたが「スローになると思った」とよんだ松岡正海騎手にいざなわれて最初の1、2コーナーをカーブする時には大外をまくるように3番手まで進出。実際、最初の1200mが1分14秒台という緩ペースだったから、この手綱捌きが吉と出た。

 向こう正面でウインブライトを内から僅かにかわし、馬体を並べて3番手となったのが3番人気のマジックワンド。その後ろの外に4番人気ライズハイで内に2番人気のフローレという隊列。

 4コーナーではウインブライトが外へ持ち出され、更にその外にライズハイ。直線ではその2頭が伸びて来たが、ウインブライトがライズハイを振り切って先頭に立ったところで今度は内からマジックワンドが急襲。しかし、短アタマ差、これを振り切り、ウインブライトが春のクイーンエリザベス2世カップに続き、香港の2000mのG1レースを制覇。2分00秒52という同競走のレコードでの勝利。香港の国際4レースのうち3つを日本馬が制したのはステイゴールド(香港ヴァーズ)、エイシンプレストン(香港マイル)、アグネスデジタル(香港カップ)が優勝した2001年以来の快挙となった。

取材・文:平松さとし

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