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国際大会で打てる者とそうでない者の差
アメリカ戦・勝負を分けたポイント

「圧倒的な力と差を感じました」

国際大会の壁に当たる打者も多い中で、浅村は3本のタイムリーを放ち、気を吐いた
国際大会の壁に当たる打者も多い中で、浅村は3本のタイムリーを放ち、気を吐いた【写真は共同】

 プレミア12のスーパーラウンド第2戦でアメリカに今大会初黒星を喫した後、3打数無安打に終わった菊池涼介(広島)と3三振に倒れた坂本勇人(巨人)は報道陣の呼びかけに無言で東京ドームのミックスゾーンを去っていった。


 得点は3対4で、ヒット数は7本と11本。数字にすればわずかな差だが、内容の違いは歴然だった。メジャーリーグ傘下のプロスペクト(有望株)もいるアメリカ打線が鋭いスイングで強い打球を飛ばしたのに対し、日本は相手投手の動くボールや強いボールにまたも苦しみ、力のない打球が多く見られた。


「圧倒的な力と差を感じました」


 近藤健介(北海道日本ハム)がそう語れば、浅村栄斗(東北楽天)は「やっぱりさすがだなと思いました」とアメリカ打線を称えた後、こう続けている。


「(先発の)高橋礼(福岡ソフトバンク)はなかなか日本のバッターでも初見で打てるようなピッチャーではない。その中でどの球種に対してもしっかりスイングしていたので、レベルが高いなと思いました」

金子ヘッドが指摘する国際大会の壁

 日本が放った7本のヒットのうち、浅村が3本、鈴木誠也(広島)が2本。今大会を通じて好調を維持する二人を除き、日本打線はなかなか自分のスイングをすることができていない。彼らと周囲の違いについて、金子誠ヘッドコーチ(日本ハム)はこう答えた。


「ボールを追いかけるのか、しっかり自分のスタイルで打てているかの違いだけですね。しっかり打ちたいとなって(スイングが)小さくなっている人もいれば、全部(の球を)追いかけている人もいる。いろんな悪いパターンがあります」

 3回までに2点をリードされた日本は4回裏、浅村のライト前タイムリーで1点を返したが、直後の5回、2番手の山岡泰輔(オリックス)が3本のヒットで1点を奪われた。6回、浅村が右中間にタイムリー二塁打を放って再び1点差とするも、7回、4番手の大野雄大(中日)がアメリカのプロスペクトと名高いジョー・アデル(エンゼルス傘下)に逆方向に弾丸ライナーの本塁打を突き刺された。


 日本は8回裏にまたしても浅村のレフト前タイムリーで1点差に迫ったものの、アメリカに逃げ切られて敗れている。


「数年前から同じ人じゃないですか。足を大きく上げるタイプ」


 金子コーチがそう指摘したように、今大会も日本打線は国際試合の壁にぶち当たっている。


「足を上げているうちにボールが来ちゃう。それに気付いているだろうけど、日本のシーズンを長く送ってきた人が、急にここですり足にしろとはなかなかできない。その中でピッチャーに対して合うボールを選択していくしかないけど、それができるか、できないか。そこで何とか四球を選べる選手もいれば、1球でクソみたいな当たりが前に飛んでしまう選手もいる」

中島大輔
中島大輔

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。05年夏、セルティックの中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に野球界の根深い構造問題を描いた『野球消滅』(新潮新書)。2013年から中南米野球の取材を行い、2017年に上梓した『中南米野球はなぜ強いのか』がミズノスポーツライター賞の優秀賞。

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