オークス馬と秋華賞馬どっちが優勢? 過去データからエリザベス女王杯を分析

JRA-VANデータラボ
 今週は京都競馬場でエリザベス女王杯が行われる。アーモンドアイやリスグラシューといった超トップクラスの馬は不在だが、その分多数の馬にチャンスがありそうなレースだ。いつものように過去10年のデータを分析し、今年のレースを占っていくことにする。データの集計・分析にはJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

エリザベス女王杯の好走馬(過去10年)

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 まずは、過去10年のエリザベス女王杯で3着以内に好走した馬を見ていくことにする。すぐに気づく大きな特徴としては、同じ馬が複数回好走しているということ。近2年はクロコスミアとモズカッチャン、それ以前にはミッキークイーンやヌーヴォレコルト、ラキシスらが2年続けて好走。外国馬のスノーフェアリーは連覇の偉業を成し遂げた。

 年齢的な観点からは「3歳馬対古馬」が毎年ポイントになる。過去10年では古馬が優勢、3歳馬が若干押されている印象だ。

 人気面では1番人気がやや不振で、勝利したのは2011年のスノーフェアリーのみ。2番人気も1勝にとどまり、3番人気が最多の3勝をマークしている。人気薄の激走は09年が印象深い。特異なレース展開となり、11番人気のクィーンスプマンテが逃げ切って勝利し、2着には12番人気のテイエムプリキュアが入った。この年ほど大きな波乱はその後起きていないが、伏兵馬の食い込みは目に付く。

エリザベス女王杯の脚質別成績(過去10年)

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 脚質の傾向は表2を見た方がわかりやすいだろう。先ほど「09年は特異なレース展開」と述べたが、このエリザベス女王杯はそもそも逃げ馬の好走が少ないという傾向があるからだ。また、先行馬も勝ち切るのに苦労している。【1.7.1.29】の成績で、2着が7回と異常に多い。その分、差し馬の勝率が高い。【8.2.7.57】と勝ち馬を8頭も出しているのだ。ペースはスローになることが多いのだが、前残りではなく、差しが決まるイメージを持って予想する方が良さそうだ。

 前走レースは、3歳馬であればほぼ秋華賞になる。同レースで3着以内に入っていた馬が特に有力だ。また、好走馬にはオークスで連対していた馬が非常に多い。モズカッチャンやヌーヴォレコルト、メイショウマンボにヴィルシーナ、アパパネにブエナビスタと、大半の馬が該当する。10年1着のスノーフェアリーも英・愛のオークス馬だった。春のクラシック(特にオークス)で好走していた馬なら心強い

 一方、古馬は府中牝馬S組が最有力。17年からレース名がアイルランドT府中牝馬Sと変わったが、レース条件に変更はない。G3時代の府中牝馬Sは本番との関連性は薄かったが、G2になってからはトライアルとしての重要度が非常に高くなった。オールカマーや札幌記念、京都大賞典を経て好走した馬も多く、前走G2組が圧倒的に強い傾向だ。12年3着ピクシープリンセスのように前走条件クラスから好走するケースは稀だ。

 古馬はとにかく前走G2以上のレースに出走して、5着以内に入っていることが望ましい。大敗していた馬が巻き返すケースは少ない。また、意外と同年のマーメイドS好走馬が多い。マリアライトやディアデラマドレ、アロマティコが該当。G3の実績にまで目を広げるなら、同レースに注目だ。

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