可視化して振り返る2019年ドラフト会議 戦力の「穴」を埋められた球団は?
その“運命の1日”が、球団にどのような影響を与えるのか。果たして、チームの“穴”は埋まったのか。各球団の現有戦力を「右投手」「左投手」「捕手」「内野手」「外野手」のポジション別に分けた年齢分布と照らし合わせながら、令和最初のドラフト会議を振り返りたい。
(注)選手の年齢は2020年4月1日時点で分布(育成選手、外国人枠の選手を除く)
西武:投手5人を指名して弱点をカバー!
独立リーグから計3選手を指名した点も日本球界全体を考える上でも好印象。欲を言うならば、もう1枚左腕が欲しいところだったが、来季の戦いを考えた上では即効性のある上々のドラフトだったと言えるだろう。
ソフトバンク:野手中心の指名で全体的な若返り図る
主力野手の高齢化が課題であったために、その部分では評価できるが、19歳から21歳の右投手の指名はなし。球界の盟主の座を狙うチームとしては果たしてどうだったか。新たな“育成の星”の誕生に期待したい。
楽天:即戦力内野手を1位指名、センターライン強化へ
しかし、指名した投手3人はいずれも右投げで、野手も俊足巧打のタイプ。小深田も1年目からレギュラーを張れる可能性を持っているが、主軸に座るタイプではない。5年後、10年後を考えた時に、今ドラフトの評価は果たしてどうか。来年は是非、将来の左腕エース&4番候補を指名してもらいたい。
ロッテ:球界の宝を手に入れ、捕手&外野手を穴埋めも…
ただ、その佐々木が実際にプロの1軍舞台でフル回転するのは数年先であると予想され、即戦力投手を1人も指名できず、チームの穴である左腕も育成1位で大学生を指名(北翔大・本前郁也)したのみだった点は不満。それでも、将来の正捕手候補として佐藤都志也(東洋大)を2位で指名し、年齢的な穴だった22歳から25歳の外野手として、高部瑛斗(国士舘大)を指名したことは評価できる。
日本ハム:社会人投手の連続入札からバランス良く指名!
高い潜在能力が評価される上野響平(京都国際高)が唯一の高校生として、どこまで成長できるか。そして指名した社会人もまだ若く、大学4年生以上に今後の伸びしろを持っている点で、球団の持つ「育成力」も発揮できるだろう。確かに目玉は逃したが、全体的にはバランスの取れた悪くないドラフトだった。
オリックス:高校生左腕を指名したが、捕手&即戦力は…
ただ、もう一つのターゲットであった捕手の指名がなかった(育成で高校生捕手を1人指名)ことは残念。3位の村西良太(近畿大)、5位の勝俣翔貴(国際武道大)がどれだけ早い段階で戦力になれるか。支配下5人に対して育成指名8人という点も、今後どう評価されるか。球団の育成力が問われることになる。