国際試合12勝0敗、無敵を誇った理由 上原浩治、日本代表の思い出Vol.3
星野監督の熱烈なラブコールによって北京五輪の日本代表に選出された上原さん。国際大会経験豊富なリーダーとしての役割を期待された 【写真:ロイター/アフロ】
体の状態が良くない中での北京五輪
その時は(監督の)星野(仙一)さんに、最初はお断りしたんです。電話がかかってきた時に。「今の状態では無理です」と。はい。2008年のシーズンは自分の中で一番最悪なシーズンだったので……。ぜんぜん成績も出てなく、体の状態も良くなかったので、断ってたんですけど……。
――星野さんはどういうふうに上原さんを説得されたのですか?
「どんだけ周りが、何を言おうともお前を選ぶ」ということを言ってくれたんで……。
――それはピッチングだけではなく、リーダーとして経験を積んできたということを期待して?
2008年、巨人では先発をやっていたんですけど、北京の時は後ろで使うということを言われていたんで……。でもリリーフには岩瀬(仁紀)さんがいて、(藤川)球児がいて、きちんとした抑えがいたのに、自分をクローザーで使うと言ってくれたので、申し訳ない気持ちと、どうにかせなあかんなという気持ちでしたよね。
――でも、ものすごい緊張感のある試合だったな、と。G.G.(佐藤)さんがちょっと落球したみたいなところもあったりして、緊迫感というのが五輪はあるんだなと思いましたが?
G.G.もあの落球のおかげでいっぱいテレビに出ていますからね。あれ普通に捕っていたら今、テレビに出てないですよ(笑)。
その時はかなり落ち込んでいましたけどね。「大丈夫かな」というぐらい落ち込んでいましたから。それが今こうやって、笑い話にできるぐらい回復しているということは、本当に良かったなと思いますよ。
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