落合知也が明かすパイオニアとしての矜持 バスケ「3x3」にかける情熱と競技の魅力
注目は世界の強豪国・セルビアのスーパースター
世界的スターのドゥーサン・ブレットを擁する、強豪国・セルビアを注目してほしいと語る落合 【写真:C-NAPS編集部】
サイズはあまり大きくないのですが、1対1に強く闘争心をむき出して戦う姿が印象的です。トリッキーなパスやドリブルもでき、スキルは十二分にあります。あとは勝負を決する時間帯“クラッチタイム”でのシュートの成功率が高いですね。「決めてやる」という気持ちが強い選手で、国際大会でのハイライト映像にも採用されているなど、「ハイライト製造機」と言えるほど勝負強いですね。3x3をよく知らない人でも、彼のプレーは十分に楽しめると思います。これまで彼には一度も勝てていないので、いつかは絶対に勝ちたいです。
日本がセルビアなど世界の強豪と戦って勝利をつかむためには、ディフェンス強度と2ポイントシュートの精度を高めることが重要になります。先日、日本代表として参戦した3x3ワールドカップでもファールすれすれのハードなディフェンスを徹底することで、銀メダルに輝いたラトビア相手に接戦を演じました。「絶対に相手に勝つんだ」という気持ちがディフェンスや球際の激しさ、リバウンドに乗り移ると思っています。
また、2ポイントシュートを高確率で決めることで、オフェンスの戦術の幅が広がります。シュートを警戒してきたら、ドライブで相手を抜いて次の展開に持ち込めます。日本人の特性はチームの連携が優れていて、かつ我慢強く戦えるところです。対戦相手をスカウティングして徹底的に分析するようになったので、相手の弱点を突きつつ、チームプレーをしっかりと遂行することで世界に対抗したいです。
自国開催の五輪でメダルを獲得し、3x3をメジャーに
日の丸を背負うことに誇りと重圧を感じる落合(中央)。五輪では金メダルの獲得を目指す 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
今までの日本代表での成績やクラブチームでの国際大会での結果を踏まえても、決してメダルは遠い存在ではなく、十分に狙えると思っています。金メダルを獲得したいですね。日本は母国開催によるホームコートアドバンテージの恩恵を受けますし、ファンの声援が僕たちの力になります。応援するというよりも会場に来て一緒に戦ってほしいですね。会場のボルテージが最高潮に達し一体感を生むことで、選手たちも実力以上の力を発揮できるはずです。
現状では東京五輪後に競技を辞めることは全く考えていません。最大の目標が東京五輪なだけであって、その後も自分は世界に挑戦し続けます。個人的に大きい大会後こそ大事だと思うので、3x3を下火にさせずにさらに盛り上げるためにも普及活動に取り組んでいきたいですね。
ずっと自分が先頭を走ってきた思い入れのある競技ではありますが、まだまだ知らない人も多いと思います。現時点ではマイナー競技だと自覚しているので、多くの人に「3x3の落合だ」と知ってもらえる状況を目指したいですね。そのためにも、国内外で活躍して日本の3x3の盛り上がりや強さを見せるのはもちろん、いろいろな場所でのクリニックやバスケットボール教室の開催を通して3x3の文化を広げていきたいです。