連載:MGC徹底分析 五輪切符をつかむのは誰だ

柏原竜二、藤原新、千葉真子の注目選手は? MGCの見どころを存分に語る

折山淑美
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MGCの注目選手を語った、左から柏原竜二さん、千葉真子さん、藤原新さん 【撮影:熊谷仁男】

 9月15日の開幕を目前に控えた、2020年東京五輪男女マラソン代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」。男子は31名、女子は12名のファイナリストが出場し、東京五輪日本代表の座を競い合う。日本マラソン界では初の試みとなる“一発選考会”を、元マラソンランナーの柏原竜二さん、藤原新さん、千葉真子さんはどう見ているのか。男子、女子それぞれの注目選手についてを中心に、たっぷりと語り合ってもらった。

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男子は大迫、設楽、井上、服部の4人が有力

――男子は31名のファイナリストがMGCに出場します。柏原さんは誰に注目していますか?

柏原 自己ベストタイムも重要なんですが、暑さに強い選手や、暑い中のレースで良い成績を残している選手に注目しています。例えば、18年3月のびわ湖毎日マラソンで好成績だった中村匠吾くん(富士通)。大学(東洋大)の後輩の服部勇馬くん(トヨタ自動車)にも注目しています。あと、僕は富士通の社員なので、鈴木健吾、荻野晧平(ともに富士通)にはぜひ頑張ってもらいたいですね(笑)。

千葉 服部くんが優勝した18年の福岡国際マラソンは気温が20度を超え、12月とは思えない陽気でタフなレースでしたね。そんな中での好記録だったので、服部くんは気候への適応力が高いんだと思います。彼は元々発汗量が多いので、大学時代からいろいろ研究しているし、最近は「暑さに対して不安はない」ともコメントしている。ただ、暑ければ暑いほど有利な選手もいるので、MGCは彼の試されるところだと思いますね。

――千葉さん、藤原さんは誰に注目していますか?

千葉 大迫(傑、ナイキ・オレゴン・プロジェクト)くんと設楽(悠太、Honda)くん。なかでも大迫くんはしっかり練習を積むことができているのなら、優勝に一番近い選手だと思います。昨年10月のシカゴマラソンで日本記録を出した時も、5kmのラップタイムに1分近くペースの上げ下げがあり、揺さぶりにも強いと思うし。力を温存するのが上手で、勝負どころでバーンと行くのがうまいこともポイントですね。

藤原 僕も大方の人と同じ答えになってしまうけど、大迫くん、設楽くん、井上(大仁、MHPS)くんで、それにプラス服部くんです。ただ、レース展開を考えると、MGCは31名も出場するので、いろんな作戦を練ってくる選手がいると思います。2時間10分台の選手でも、20kmくらいまでなら勝負ができるので、途中で飛び出すことだって十分に考えられる。そうなると、大迫、設楽、井上、服部のうち誰かが反応するはず。揺さぶり合いになるでしょうね。

――途中で誰かが飛び出したとき、藤原さんが注目する4名の中では誰がついていくと思いますか?
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著者プロフィール

1953年1月26日長野県生まれ。神奈川大学工学部卒業後、『週刊プレイボーイ』『月刊プレイボーイ』『Number』『Sportiva』ほかで活躍中の「アマチュアスポーツ」専門ライター。著書『誰よりも遠くへ―原田雅彦と男達の熱き闘い―』(集英社)『高橋尚子 金メダルへの絆』(構成/日本文芸社)『船木和喜をK点まで運んだ3つの風』(学習研究社)『眠らないウサギ―井上康生の柔道一直線!』(創美社)『末続慎吾×高野進--栄光への助走 日本人でも世界と戦える! 』(集英社)『泳げ!北島ッ 金メダルまでの軌跡』(太田出版)ほか多数。

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