日本代表、南アに“歴史的連勝”なるか ラグビーW杯前、最後のテストマッチ
南アフリカ戦で鍵を握るプレーは…
多彩なキックで日本代表の攻撃をリードするSO田村優 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
それを裏付けるように、南アフリカ代表の3試合合計のボールキャリー数は4チーム中、一番少ない308回で、ランメーター(1807m)、パス(326回)も同様に一番少なかった。また特筆すべきは97得点中、38得点と実に40%の得点を、後半20分以降の20分間に挙げていることだ。ゆっくりとした展開に持っていき、集中力もフィジカル、体力も残っているラスト20分で、確実に得点を重ねて勝利していることがわかる。
身長2m超えが2人、体重も120kg前後の選手が6人と大きくて重いFWを擁するチームだけに、日本代表はタッチに出さないキックでボールインプレーをなるべく増やし、セットプレーを減らしたい。また、キックをうまく使って手数をかけずにトライを重ねたい。また相手のFWをキックで背走させることで、フィットネスや集中力を奪い、後半20分以降の得点も抑えたいところだ。
つまり、SH、SOからのキックの質、使い方が鍵を握ると言えよう。また前半に20点差をつけられるような展開も避けて、試合に勝つ流れに持っていきたい。大きなFWだけでなくBKにも速い選手が多いため、W杯を見据えて、日本代表がPNCで培ってきたディフェンス力も問われる試合となろう。
38歳で驚異の数字を残す日本代表LOトンプソン
38歳になった今も激しいプレーで貢献する日本代表トンプソン ルーク 【写真:アフロ】
自称「おじいちゃん」のトンプソンはフィジー代表戦、トンガ代表戦で交替せずに80分間プレーした。フィジー代表戦ではボールキャリーの回数は17回、ラックに関わった回数は26回、クリーンアウト(ラックで相手をはがす)の回数も11回で、すべてチームトップの数字だ。
またトンガ代表戦ではタックル回数は15回で、成功率はなんと100%。さらにラックに関わった回数は22回、クリーンアウトした回数は13回で、こちらもフィジー代表戦同様に、チームトップの数字だった。地上戦だけでなく、196cmの長身でラインアウトでも中心選手である「リアルロック」はすっかりチームになくてはならない選手となった。
南アフリカ代表戦だけでなく、W杯でも愛称「トモさん」のプレーを見られることが今から楽しみでならない。