日本代表、南アに“歴史的連勝”なるか ラグビーW杯前、最後のテストマッチ
リベンジに燃える南アフリカは最強メンバー
2015年ワールドカップで日本代表が南アフリカ代表を破ってから4年。今回はどのような結果となるだろうか 【写真:アフロ】
W杯のプールAで、日本代表はアイルランド代表、スコットランド代表といったセットプレーに強みのあるチームと対戦するため、日本代表を率いるジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)の要望もあり、W杯前にセットプレーの強いチームとの対戦となったという。
「スプリングボクス」こと南アフリカ代表と言えば、前回大会で日本代表が34対32で歴史的勝利を挙げた相手だ。だが、今回の南アフリカ代表は南半球の4カ国対抗戦「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」で初優勝。世界1位のニュージーランド代表と16対16と引き分けた試合と、日本戦のメンバーで23人中22人が同じという最強の布陣で臨んできた。
そんなリベンジに燃える世界最強クラスのフィジカル強国に、日本代表はどう挑めばいいのか。データ(STATS調べ、共同通信デジタル提供)から見ていきたい。
データで見る日本代表の戦い方
フィジー代表戦ではリーチ マイケル主将を中心に、ボールポゼッションを重視して戦った 【写真:アフロ】
主将のFLリーチ マイケルは現在の日本代表の強みを「世界一のフィットネス」だけでなく、「戦術に幅があること」と胸を張る。
ジョセフHCが就任した2016年から日本代表はどちらかというと、フィットネスをベースに相手と競り合うコンテストキックを軸に、自分たちからアンストラクチャー(崩れた状態)を作って、トライを奪うラグビーを展開してきた。端的に言えば、手数をかけずにトライを取るラグビーのため「ボール支配率が40%でも勝てるラグビー」ということになろう。
しかし7月27日のフィジー代表戦は、相手がカウンターからトライまで持っていく能力が高いチームのため、ボールポゼッション(60%)を重視し、自然と61%とテリトリーの数字も高くなり、ラインアウトやスクラムといったセットプレーを起点としたアタックも冴えた。結果、ボールインプレー(プレーが途切れずに継続する時間)は27分台で、ジェイミー・ジャパンには珍しくストラクチャーラグビーを貫き34対21と快勝した試合となった。
続く、8月3日のトンガ代表戦(41対7で勝利)こそ「アンストラクチャーラグビー」で勝負するのでは……と思っていた。ただ蓋を開けてみれば、ポゼッションは55%、テリトリーは54%、ボールインプレーは約30分となった。相手のラインアウトにプレッシャーを与えられていたという判断で、途中からラインアウトを増やしたことが功を奏した。ラインアウトの成功率は、日本代表は8/9で89%だったが、トンガ代表は8/20と65%の成功率に終わった。
8月10日の最終戦は、従来のジェイミー・ジャパンが標榜していたラグビーを見せて34対20で勝利した。ボールポゼッションは43%、テリトリーは38%、ボールインプレーは31分だった。モールからのトライもあったが、カウンターからのトライもあり、ポゼッションやパスの回数はアメリカ代表の方が多かったが、ゲインメーター(ボールを持って走った距離)は609mでアメリカ代表の512mを上回り、有効なアタックができていたことを示している。