──NBAでプレーしたからこそ得た手応え、改めて感じた課題を教えてください。

　NBAに関しては課題の方が多かったですね。Gリーグである程度結果を残しても、NBAだとなかなか結果が出ない試合ばかり。技術的にもまだまだ足りないし、NBAでは通用しないと痛感しました。

　メンタル面では、NBAだからしっかりアピールしなければ、と意識し過ぎたかなという反省があります。いつもは決めているシュートなのに落としてしまうのは、正直メンタルの問題だと思います。どのステージであっても、平常心でプレーできるようにならなければいけませんね。

──W杯後のことですが、今シーズンのNBAでは、どんなところに注目してほしいと思っていますか？

　そうですね、昨シーズン得た自信は大きいので、先ほどのメンタルの部分は改善できると思います。体重が増えてフィジカルも強くなってきていますから、そういうところも見てほしいですね。W杯、東京五輪を経験してからも、ずっとNBAで活躍できるように頑張りたいと思っています。このW杯を含めて、すべての大会や日本代表の活動一つひとつが自分のキャリアアップにつながっていくと思いますから、大事にしたいと思っています。

──日本ではBリーグがスタートし、今回のW杯出場も含めて、どんどん日本のバスケ熱が上がっています。選手の立場での体感はいかがでしょうか？

　Bリーグに関しては、まだその中でプレーしていませんから何とも言えません。ただ（富樫）勇樹と仲がいいので千葉ジェッツの試合を見に行きましたが、その時もお客さんの熱気がすごくて、こんなに盛り上がっているだと実感しました。

　昨年、イラン戦のために帰国して日本代表の一員として戦いましたが、その時もアリーナは満員で、みなさんが熱のこもった応援をしてくださっていましたから、そういうのを見たり体験したりすると、日本のバスケットも盛り上がって、どんどん変わってきているんだと感じています。

──これまでも大きな大会や、ここぞという試合をいくつも経験されていると思います。このW杯に向けての盛り上がりはプレッシャーですか？　 それとも期待を受けてモチベーションアップになっていますか？

　このW杯で日本のバスケットボールの未来が左右されると思っています。日本代表がここで勝つか負けるかで、日本のスポーツシーンにおける野球やサッカーのように人気が上がるか、それともやっぱり今まで通り、「バスケは世界では勝てない」と思われて終わってしまうのか。ある意味、みなさんの中で位置づけされてしまうんじゃないかと思っています。

　どの競技でも代表が強くなければ盛り上がってきませんから、そこは自分たちの使命だと思っていますから、プレッシャーはプレッシャーですが、それを楽しんでプレーできればいいと思っています。

──改めてW杯に懸ける意気込み、ファンへのメッセージをお願いします。バスケビギナーの方々に「日本代表のここを見てほしい！」という思いも込めてください。

　今まで応援してくださっている方々には本当に感謝しています。みなさんの応援がW杯での成績に関わってくる部分が必ずありますので、引き続き応援していただければと思います。

　また、まだバスケを熱心に見たことがない、このW杯で初めて見るという方もいらっしゃると思いますが、見れば絶対にハマると思います。日本のバスケは良い選手がどんどん出てきていますし、そういう一人ひとりの選手を見ていただきたいですし、日本の持ち味であるチーム力にも関心を持っていただければと思います。自分たちが、それらの魅力をこのW杯を通じて届けられればと思っています。

──日本の持ち味は「チーム力」ということですね。

　チーム力は日本の持ち味です。練習も強度が上がっていますし、W杯に向けてもっともっといい雰囲気になっていくでしょう。個人の力、技術を上げていくのは当然ですが、一丸となってなって戦うチーム力をもっと発揮できるようにしたいですね。そのための良いピースはそろってきていますから、どれだけまとまっていけるか。チーム力こそが日本の持ち味だと思っていますから、みなさんと一緒に戦いたいですね。