連載:令和のスターになるのは誰だ?〜横浜DeNA編〜

DeNA・東が少年時代に描いた4つの夢 「小さいから無理」と言われ続けても……

瀬川ふみ子
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昨季セ・リーグ新人王の東は自分を見つめ直し、輝きを取り戻すために鍛錬を積んでいる 【スリーライト】

 昨季、11勝5敗、防御率はリーグ2位となる2.45の好成績でセ・リーグの新人王に輝いたのが、ドラフト1位で横浜DeNAベイスターズに入団した東克樹。150キロを超えるストレートと、ブレーキの利いたチェンジアップが武器のサウスポーだ。クレバーで、試合中の修正能力の高さも勝ちを呼び込める大きなポイント。加えて、キラキラしたまぶしい笑顔でもファンを魅了する。

 今季も左腕カルテット(今永昇太、浜口遥大、石田健大、東)の“四男”として期待されていたが、昨季のような投球はまだできていない。だがさらなる進化を目指し、今はファームで着々と強化中。“令和のスター”候補生である東に、これまでのことや、未来へ向けての話を聞いた。

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急成長した大学での4年間

大学での成長を踏まえ、自身の伸びしろを冷静に分析。プロへの道を切り開いた 【スリーライト】

――大学に入ったころまで、プロ野球選手になれるとは思っていなかったそうですね?

 思っていなかったです。自分は身長が170センチしかなくて、ピッチャーとしてはかなり小さい方です。大学に入ったころはそこまで球も速くなかったですし、ただコントロールが良いだけで、どこにでもいるような左投手。現実的なことを考えたら、社会人野球の道に進んだ方が将来安定した生活ができるなと思っていました。

――現実的なことを考えて……

 いつも現実的なことを考えています(笑)。高校進学のときも、愛工大名電高は少人数制で試合に出やすいんじゃないかと思って選びました。試合に出られないと面白くないですし、アピールにもならないですから。大学も、愛工大名電高から立命館大に進んだ先輩が「今、左投手がいないから、来たらすぐ出られると思うよ」と言ってくれたので進学することにしました。そうしたら、本当に1年春から使ってもらえました。

――大学で成長していくうちにプロへの道を考えられるようになったんですね。

 正直、大学であそこまで成長できるとは思っていなかったんです。でも、右肩上がりでスピードを上げることができたので、この感じでいけばプロに入ってからも成長できるんじゃないかと。

――そして、“大学ナンバーワン左腕”という称号付きで、ドラフト1位指名を受けてベイスターズへ。

 実は、小学校の卒業文集に「ドラフト1位でプロ野球選手になる」って書いたんです(笑)。まぁ、そんなのは野球少年ならみんなが描く夢であって、本当にそうなるなんて思ってもみなかった。でも、それが現実になったのはやっぱり嬉しかったです。
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