データで振り返る2019上半期重賞レース MVP級の活躍はこの馬だ!

JRA-VANデータラボ
 現在、夏競馬が進行中。暦の上では下半期に入っており、1年の折り返し時期を過ぎて間もない頃だ。今回は2019年の上半期をおさらいする意味で、重賞戦線を振り返ってみたい。年明けの東西金杯から、6月30日までに行われた平地重賞を対象とし、優勝馬やレースの配当を見ながら考えてみよう。データの集計・分析はJRA-VAN DataLab.とTARGET frontier JVを利用した。

2019年上半期の平地重賞(4歳<3歳>以上)優勝馬や配当一覧

【画像提供:JRA-VANデータラボ】

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表1は4歳(3歳)以上の平地重賞一覧で、優勝馬や配当などを記載した。もし今年上半期のMVP的な馬を決めるにあたっては、複数のレースを勝利している馬が対象になるかと思われる。メールドグラース、ダノンプレミアム、シャケトラ、ウインブライト、インディチャンプ、インティが2つのレースを勝利した。中でもG1の安田記念やフェブラリーSで勝利を飾ったインディチャンプとインティは、大きな活躍を成し遂げたと言っていいだろう。また、ウインブライトは中山金杯と中山記念だけでなく、香港の国際G1・クイーンエリザベス2世Cも勝利。この上半期は3連勝をマークしたことになる。G1を含む3勝はこの馬だけ。上半期のMVPとして、評価していいかもしれない。

 また、メールドグラースは新潟記念と鳴尾記念を連勝。重賞勝利数は2つだが、上半期は条件戦を含めて4連勝という成績を残した。次走は小倉記念を予定しているようだが、今秋のG1戦線でも注目すべき上がり馬と言えるだろう。

 牡馬との混合重賞を制した牝馬はリスグラシューモズスーパーフレアだけ。宝塚記念で牡馬を一蹴した前者の実績は、間違いなく快挙。後者は高松宮記念で人気を裏切ったが、秋のスプリンターズでもう一度見直してみたい。

 ジョッキーではダミアン・レーン騎手の活躍が印象深かった。上半期後半の重賞を勝ちまくった。昨秋のG1シリーズもそうだったが、外国人騎手が大暴れするという傾向は、しばらく続いている。

 配当に目を向けると、馬連万馬券は7レースあった。その内訳は牝馬限定戦が3つ(マーメイドS・阪神牝馬S・京都牝馬S)、ダート中距離が2つ(平安S・マーチS)、芝短距離が2つ(高松宮記念・阪急杯)だった。この路線はこの夏以降も難しいレースが続くかもしれない。

 3連単で10万円以上の配当がついたレースは多数(100万円以上は3つ)あった。前述した馬連万馬券のレースに加え、ヴィクトリアマイル、中山牝馬S、小倉大賞典、シルクロードS、AJC杯、中山金杯が該当する。こうしてみると、牝馬限定戦は特に荒れたレースが多かった。それだけ実力伯仲で混戦だったということだろう。アーモンドアイやリスグラシュー、ディアドラといった実力馬が海外遠征や牡馬混合のG1に向かった影響も大きそうだ。

1/2ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント