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大船渡・佐々木は甲子園出場を果たせるか
地方大会の有力校を分析、東北編
“令和の怪物”こと佐々木朗希(奥)
“令和の怪物”こと佐々木朗希(奥)【写真は共同】

 高校野球ライターの松倉雄太さんに全地区の戦力を分析してもらい、今夏の有力校を占っていく当連載。最終回は、9日の青森を皮切りに開幕する東北地区。福島大会12連覇中の聖光学院を止める学校は現れるのか。“令和の怪物”こと佐々木朗希(3年)を擁する大船渡は15日に初戦を迎える。

青森

◎弘前学院聖愛

◯八戸学院光星

△青森山田


 春の県大会2位から東北大会を制したのが弘前学院聖愛。中軸の櫻庭脩永、田崎陸(ともに3年)を中心に打線が自慢ながら、東北大会で3試合連続1点差勝ちの粘りも身上。投手陣では左腕の下山祐輝(3年)が成長してきた。


 第1シードの青森山田と、ノーシードになった八戸学院光星が同じブロックで、勝ち上がれば3回戦で激突。優勝争いを占う大一番になりそうだ。


 昨秋の東北大会王者・八戸学院光星は春こそライバル青森山田に敗れたものの、総合力は東北でもトップクラス。高校日本代表候補研修合宿に参加した主将の武岡龍世(3年)は、兄・大聖(八戸学院大)が大学選手権で2本の本塁打を放ち刺激を受けた。最後の夏に甲子園で暴れるつもりだ。


 青森山田はエース・堀田賢慎(3年)が成長。東北大会では最速148キロをマークした。秋2位、春3位の弘前東も、悲願の初優勝を狙う。

岩手

◎花巻東

◯盛岡大付

△大船渡


 今年も花巻東と盛岡大付の“2強”は前評判が高い。初の2年連続夏の甲子園出場を狙う花巻東は左腕・中森至(3年)が安定。ドラフト候補に名が挙がる右腕・西舘勇陽(3年)も成長を見せている。左打者が多い打線はつながりで勝負。抽選会では早々に同じゾーンが埋まり、大船渡も別ブロックになった。夏の甲子園6度出場の一関学院と対戦する可能性がある準々決勝が最初のポイントになりそうだ。


 センバツ出場の盛岡大付は岡田光輝、平賀佑東(ともに3年)を中心に強打で春夏連続出場を目指す。ボーイズ日本代表だった期待の1年生・松本龍哉の打撃にも注目。初戦で春に大船渡を破った釜石と対戦する。


 今夏最も注目される最速163キロ右腕・佐々木朗希を擁する大船渡は、抽選で盛岡四のブロックに入った。7日に行われた盛岡一との大会前最後となる練習試合で、佐々木は9回20奪三振(2失点)の快投を披露。連投の中でもマックスは156キロをたたき出し、最後の夏に向けて仕上がりは順調だ。和田吟太(3年)らが控える投手陣を駆使しながら、佐々木をどのように起用していくか。


 春の岩手大会準優勝の盛岡四は1994年以来25年ぶりの甲子園を狙う。一関学院、専大北上の私立勢は2強を脅かせるか。盛岡一、福岡など伝統校のバンカラ応援にも注目。

秋田

◎明桜

◯能代

△秋田修英


 明桜は春の秋田大会優勝で第1シードを獲得。続く東北大会も準優勝と勢いに乗っている。佐々木湧生と長尾光の2年生右腕が成長。打線も捕手の加藤洋平(3年)を中心につながりが良く、粘り強さも見せる。夏の甲子園19回出場の古豪・秋田が同じブロックで、初戦に対戦する可能性がある。この初戦がポイントになりそうだ。


 第2シードの能代は田口駿介(3年)、小林虎太郎(2年)を中心に打線に自信を持つ。課題は東北大会で1イニングで6失点を喫してしまった守備面だ。ここも夏の甲子園18回出場の秋田商が同じブロックに入り、初戦でぶつかる可能性がある。第1シード、第2シードにとっては厄介な組み合わせになった。


 秋の県大会優勝の秋田修英は、高校日本代表候補研修合宿に参加した左腕・西岡海斗(3年)が大黒柱。春の秋田大会3位の秋田中央と準々決勝で対戦すれば、好勝負が期待できそうだ。第4シードの湯沢翔北はエース・佐野雷流(3年)が成長。このブロックには昨夏甲子園準優勝の金足農が同居した。今年は苦しい戦いが続くが、夏に再び旋風を巻き起こせるか。

山形

◎日大山形

◯鶴岡東

△羽黒


 春の山形大会準優勝の日大山形は、ドラフト候補で高校日本代表候補研修合宿にも参加した捕手・渡部雅也(3年)が攻守の柱。昨春のセンバツでも4番・捕手で出場しており、豊富な経験で投手陣をリードする。二塁手の鹿野航生、遊撃手の西島好亮、中堅手の橋本魁(いずれも3年)とセンターラインもセンバツでの経験がある。


 第1シードの鶴岡東は春の東北大会でも2試合連続二ケタ得点でベスト4。2本塁打を放った丸山蓮(3年)は投手としても注目を集める。昨夏代表の第6シード・羽黒が鶴岡東と同じブロックに入った。高校日本代表候補右腕・篠田怜汰(3年)が最後の夏を迎える。本来の投球ができなかった春からどこまで復調しているかがポイント。勝ち上がれば準々決勝で鶴岡東との対戦の可能性がある。


 第3シードの山形学院は右腕・大場勇飛(3年)のピッチングに注目。酒田南は191センチ110キロの大型右腕・渡辺拓海(3年)が豪快なピッチングを見せる。山形中央、山形城北なども侮れない。

宮城

◎仙台育英

◯古川

△東北


 昨夏から3季連続で県大会を制している仙台育英が大本命だ。昨夏の甲子園を経験した145キロ右腕・大栄陽斗(3年)が成長。鈴木千寿(3年)も力をつけてきた。さらに伊藤樹と147キロ左腕・笹倉世凪の1年生投手も春からデビューし注目を集める。打線も長打力のある小濃塁(3年)を中心に強力だ。東陵、利府の甲子園経験校が同居する激戦ブロックだが、王者に死角は見当たらない。


 古川は第5シードだが秋の東北大会でベスト4に進出し、21世紀枠候補にもなった。エース・千坂優斗と捕手・高橋寛太(ともに3年)のバッテリーを中心に初出場を狙う。


 東北は「大魔神」佐々木主浩氏と高校時代にバッテリーを組んでいた富澤清徳新監督が就任し、初の夏に臨む。1年春からレギュラーの伊藤康人(3年)を中心に、強力打線で3年ぶりの夏の甲子園を狙う。春3位の東北学院は東北大会での2勝が自信になった。古川学園、聖和学園の私立勢も初出場を目指す。

福島

◎聖光学院

◯学法石川

△東日本国際大昌平


 昨年まで夏の福島大会12連覇と、戦後最長記録を更新中の聖光学院を本命に推したい。春は県北地区予選決勝と県大会2回戦で敗れ、夏は第3シードとなった。しかし秋は福島大会を制しており、やはり力はトップクラスだろう。制球力抜群の左腕・須藤翔(3年)が復調し、打線は昨夏の甲子園を経験した小室智希(3年)が引っ張る。今年も夏の福島を勝ち抜き、記録をさらに更新できるか。


 17年まで仙台育英の指揮を執り、春夏合わせて19度甲子園を経験した名将・佐々木順一朗監督が就任した学法石川。いきなり春の福島大会で準優勝し、存在感を示した。140キロを超える直球が持ち味のエース・横山凌(3年)を中心に投手層が厚く、打線は主砲の藤原涼雅(3年)が引っ張る。第2シードのため、聖光学院と対戦するとすれば準決勝。実現すればどんな戦いになるか楽しみだ。


 春の福島大会を制した第1シードの東日本国際大昌平は、エース右腕の村上椋音(3年)が大黒柱。悲願の初出場を目指す。学法石川と同じブロックに入った、創部5年目のふたば未来学園は春の福島大会4位と旋風を巻き起こした。勢いが夏も続くか。143キロ右腕・磯上航希(3年)を擁する日大東北、昨夏準優勝でエース・大内良真(3年)が残る福島商なども侮れない存在だ。

松倉雄太
松倉雄太

 1980年12月5日生まれ。小学校時代はリトルリーグでプレーしていたが、中学時代からは野球観戦に没頭。極端な言い方をすれば、野球を観戦するためならば、どこへでも行ってしまう。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『ホームラン』などに寄稿している。また、2005年からはABCテレビ『速報甲子園への道』のリサーチャーとしても活動中。

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