武井壮が難しさを感じた車いすテニス それでも「無限の楽しみがある!」

スポーツナビ

成功体験がすぐ近くにある

収録中、眞田選手と話す武井さん。すぐ近くに成功体験があるといい、「100回に1回はスーパーショットが必ずある」とも 【スポーツナビ】

 前回やらせてもらったときの手記には「くすぶっている人にこそ、車いすテニスをやってほしい」と書きました。その思いは2回目を終えても変わりません。

 眞田選手もおっしゃっていましたが、成功体験がすぐ近くにある。それを何度も繰り返し練習して何度も体験できるというのが大きな魅力。どんなに下手でも、どんなにど素人でも、練習で「ポーン」と出してもらった球が「パーン!」とラケットの芯を食って相手のコートに突き刺さる瞬間はあります。そしてこれだけでも非常に大きな感動をもらえるんです。

 自分の人生や、やりたいことでなかなかうまくいかないなとか、何か刺激がないなと思っている人はまず本当にラケットを握って、コートに立ってみてほしい。成功体験を一つずつ、ワンショットずつ経験してみるのをおススメします。必ず皆さんの人生をプラスに運ぶ体験が待っていると思います。

 スーパーショットを狙うでもいいし、なんとか相手のコートに落とすでもいい。どちらからでもアプローチができるので、自分の可能性や能力の幅を全身で感じることができると思います。 難しい競技だからこそ、いつまでも自分自身の能力を伸ばす喜びを感じられるスポーツだと感じます。

技術を通して反応できた楽しさ

友人である杉山愛さん仕込みの技術を通して、眞田選手のショットに反応していた武井さん。プロの技術に触れ、競技の中にある楽しさを感じていた 【スポーツナビ】

 今回は事前に友人である、日本が誇る世界のトッププレーヤー杉山愛ちゃんにテニスの技術を教わってきました。まず教わったのは「フォアハンドをしっかり正しいポジションで打って、相手のコートに返す」こと。まずはこれができないとどうしようもないので、練習しましょうと。あとは、「サーブを上から打って相手のコートに入れる」こと、更に「バックハンドのスライス」、「ボレー」も教わりテニスの基本的なプレーを身につけました。眞田選手との試合でその成果が出てフォアやボレーを決める事ができました。

 プレーしていて一番楽しかったのは、愛ちゃんからレッスンを受けた事で、眞田選手の打ったボールがどうしようもないものではなくなっていたこと。自分の中で「愛ちゃんが打ってくれて、きれいに返した感じと似ているな。じゃあ同じことをやろう」と眞田選手に返してみると、何球かいいコースに打ち返すことができたのは嬉しかった。眞田選手が打ったボールにテニスの技術を通して反応できているのがすごく楽しかったです。

 ぜひみなさんもプロのテニスプレーヤーから教わったことを試したり、それを車いすに乗って試したりしてみたり、この競技の中にある無限の楽しさを感じて欲しいです。

 3回目があったら、ですか? 車いすに乗ってではまだ無理なので、足で立って普通にテニスをして勝ちたいです。それぐらいのテニス力を身に付けてから、車いすで勝負できたら最高の試合展開になるんじゃないでしょうか? 今後も愛ちゃんにお願いして自主練習したいと思います!

■武井壮プロフィール
陸上・十種競技の元日本チャンピオン。スポーツ番組やバラエティなど、テレビやラジオを中心に活躍しつつ、世界マスターズ陸上の4×100mリレー(M40クラス、M45クラス)の金メダリストであり、日本記録保持者。今でもさまざまなスポーツにチャレンジし続けている。現在はプロテストを目指してビリヤードにも挑戦中。

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「百獣の王」武井壮さんがパラスポーツを体験、トップアスリートとの真剣勝負に挑みます。戦いの結果は……。どうぞお楽しみに!

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