飛躍を誓う3歳馬が出陣! ラジオNIKKEI賞をデータ攻略

JRA-VANデータラボ

前走距離との比較

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5は前走と今走の距離から「今回延長」「同距離」「今回短縮」の成績を比較したもので、前走は芝のみを対象とした。傾向としてはわかりやすく、好走率、回収率ともに「今回短縮」の成績が明らかに優秀。次に「同距離」と「今回延長」を比較すると、複勝率は互角だが、「同距離」では勝ち馬が2頭出ているのに対して、「今回延長」で勝ち切った例はない。なお、前走がダートだった2頭はいずれもふたケタ着順に敗れている。

前走クラス別成績

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表6は前走クラス別成績。この表を見る限り、前走で重賞に出走していた実績上位馬でも、そう簡単には好走できないようだ。実際、前走G1から勝ち切った馬はいない。前走G1組はむしろ穴馬が2、3着に突っ込むことが多く、それは複勝率26.7%、複勝回収率134%という数字に表れている。前走G2およびG3組は合わせて【1.0.0.11】と苦戦傾向で、14年1着のウインマーレライを除く11頭は4着以下に終わっている。

 注目すべきは、過去6年のうち5勝を前走で重賞以外のレースに出走していた馬が挙げていること。そのうち3勝は前走オープン特別(リステッド競走を含む)で、具体的にはプリンシパルSや白百合Sから臨む馬がいれば注目してみたい。また、出走例は多くないが、前走で古馬混合の2勝クラス(1000万下)から好走した2頭は、8、9番人気が各1頭と激走に注意。前走1勝クラス(500万下)は、前走が1番人気1着なら【1.2.1.10】、それ以外の馬は【0.1.1.19】とやや差がついており、基本的には前者を狙いたい。

芝1800mの複勝率別成績

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表7は、ラジオNIKKEI賞と同じ芝1800mの複勝率別成績を調べたもので、出走歴が「2走以上」「1走のみ」「未出走」に分けている。まず、芝1800mを2走以上していた馬から見ていくと、この距離で複勝率100.0%の馬はさすがに堅実。これが50%以上100%未満になると、好走率はほぼ半減してしまう。そして、50%に満たないと好走率はさらに半減と、実績に応じて数値が下がっていく。

 芝1800mの出走歴が1走のみの場合も同様で、その1走で好走していればチャンスありだが、好走できなかった馬が3着以内に入った例はない。そして、芝1800mに未出走だった場合、1着馬は出ていないが、2、3着には各1頭が入っている。

結論

 今年のラジオNIKKEI賞に登録がある21頭について「芝1800mの出走歴と実績」に応じて、データから有力と思われる馬を挙げていきたい。

 まずは芝1800mを2走以上している馬から。この場合、複勝率100%だと好走率が高く、登録馬21頭のなかで該当するのはマイネルサーパスとランスオブプラーナの2頭だ。このうちマイネルサーパスはハンデ54キロ、中4週、距離短縮と好走率の高いデータが揃っている。惜しむらくは1着馬が出ていない前走G1のローテだが、3着以内の有力候補には挙げられる。

 複勝率50%以上100%未満に該当する登録馬は10頭と多く、このなかで条件が揃うのはハンデ54キロ、中8週、距離短縮のアドマイヤスコール。また、好走率の高い前走オープン特別出走のレッドアネモスヒルノダカールにも注目したい。

 芝1800mに1回だけ出走していた馬は、その1走で3着以内に入っていることが絶対条件だった。該当する登録馬ではブレイキングドーンがハンデ55キロ、中7週、距離短縮とよさそうだ。

 最後に芝1800m未出走の登録馬も4頭おり、このなかではブレイブメジャーか。1着馬が出ていない距離延長に該当するのは割引だが、ハンデ54キロ、中8週、前走1勝クラス(500万下)で1番人気1着なら、3着以内の資格はあるだろう。

文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。

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