【マッチレポート】JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦・1部リーグ第3節

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全勝チーム対決は明治大が3-0で完勝。唯一の全勝チームに 【©明治大学体育会サッカー部】

明治大と流通経済大の全勝対決は明治大が完勝!明治大が単独首位に。2位には3戦負け無しの筑波大

 『JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦』【1部リーグ】は、4月27日(土)に全6試合が行われた。

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 第2節を終え、連勝チームは流通経済大学と明治大学の2チームのみとなった。第3節ではこの2チームが対戦。注目の“全勝対決"は、明大が序盤に2点を先取する。20分、明大はスルーパスに反応した藤森颯太がドリブルでゴール前へ。1対1をかわしてマイナスのパスを出すと、ペナルティーエリアのすぐ外から中村草太がミドルシュートを突き刺して先制する。さらにその8分後、今度は中村のパスに藤森が合わせて追加点。中村・藤森コンビが、ともに3試合連続となるゴールを挙げて2点のリードを奪う。後半に入ると流経大が早めの選手交代で流れを変えようとするが、69分に明大にチャンス。相手GKの処理ミスから中村がボールを奪取し、ペナルティーエリア内で横パスを入れる。これを藤森が決めて3点目を挙げる。試合は0-3で終了し、流経大が初黒星を喫する結果に。対する明大は唯一の全勝チームとして単独首位に躍り出た。

中村草太と藤森颯太がともに3試合連続ゴールで好調・明治大を牽引 【©明治大学体育会サッカー部】


 その2勝チームを追うのが、1勝1分グループの筑波大学、日本大学、国士舘大学の3チーム。まずは前年度王者、筑波大は伝統の定期戦・中筑戦の相手でもある中央大学と対戦。ホーム初戦となる筑波大はこの試合、ディフェンスラインを3バックに変更。その前の右サイドを角昂志郎、左サイドに池谷銀姿郎を配置して中大を迎えた。試合は筑波大が主導権を握りながらも「押し込んでいてもチャンスを決めきれない。中大さんも個の力のある先取がいるので、隙を作ったらやられるということはずっと言っていた」と、筑波大・小井土正亮監督。すると33分、筑波大は半代将都がドリブルでペナルティーエリアにカットイン。ゴール前に出したパスを角がスルーし、最後は田村蒼生が右足を振り抜いて先制点を挙げる。さらにその10分後、途中から左右のサイドを入れ替えて中大に揺さぶりをかけていた角、池谷が決定機を演出。角の左サイドからのクロスに「いいボールだったから流し込むだけだった」という池谷が頭で合わせ追加点。筑波大が2-0で試合を折り返した。2点のビハインドを負った中大は、後半頭から岡崎大智を投入。流れを変えようとするが、62分に尾川丈が2枚目の警告を受けて退場に。数的不利な状況に追い込まれた。対する筑波大は79分、池谷がペナルティーエリアの外から弾道の低いミドルシュートを決めて勝負あり。「(ミドルシュートは)自主練でもしていたが、自分が少し上がっていたところで、いい感じにボールが奪えたので、その流れでゴールを決めることができた」という池谷のこの試合2点目となるゴールで筑波大がリードを広げ、そのまま試合終了。3-0でホーム初勝利を収めた筑波大が勝点を7に伸ばして2位に浮上した。

筑波大は池谷銀姿郎が2ゴールを挙げてホーム初勝利の立役者に 【©JUFA】

前節待望の初勝利を挙げた中央大だが今節は完敗 【©JUFA】


 一方、厳しい結果に終わったのが日大と国士大だ。日大は、今年1部に復帰した駒澤大学との一戦となった。先週は天皇杯東京都予選でハードな試合を勝ち抜いた日大だったが、この試合では相手を攻めあぐねスコアレスのまま前半を終了。すると53分、駒大は日大のパスミスを見逃さなかった今井拓人が、ペナルティーエリアすぐ外でボールを奪う。そのままボックスに侵入すると、ゴール左上にシュートを突き刺して駒大が先制。わずかなチャンスをゴールに結びつけた駒大がこの1点を守りきり、試合は0-1でタイムアップ。駒大が今季初勝利を収めた。また、国士大は後半に東京国際大学の尾崎岳人に2ゴールを許す結果に。それでもアディショナルタイムに後藤響のゴールで1点を返すが、反撃はここまで2-1で5位から7位へと後退した。対する東国大は7位から4位に浮上。勝点では3位・流経大と並ぶこととなった。

今季1部リーグに復帰した駒澤大は待望の初勝利 【©駒澤大学体育会サッカー部】

東京国際大は昨年のチーム内得点王・尾崎岳人が2得点と今季も好調 【©東京国際大学体育会サッカー部】


 先週に行われた天皇杯神奈川県予選では、同じ会場でJ3のYSCCに逆転勝利を挙げた桐蔭横浜大学。だがリーグ戦では前節引き分けたものの未だ勝利なし。対する東海大学も2連敗。ともに厳しい状況の両チームの試合は、序盤に東海大が素早いリスタートからチャンスを掴む。14分、東海大は大塚瑶平のスローインに星景虎が右サイドを抜け出してペナルティーエリアに侵入。そのまま左足のシュートでネットを揺らして東海大が先制する。1点のビハインドを負った桐蔭大は後半から池田柚生を投入して試合の流れを変えようとするが、東海大が最後まで先制点を守りきって試合終了。1-0で東海大が今季初勝利を挙げて10位から8位へ。一方の桐蔭大は11位に沈むこととなった。

 今節唯一のナイトゲームとなった関東学院大学と東洋大学の一戦。立ち上がりから東洋大が試合を優位に進めるがなかなか関東大のゴールを割ることができない。それでも前半終了間際の45分、ショートコーナーから新井悠太が上げたクロスを山之内佑成が頭で叩き込んで東洋大が先制する。対する関東大は前半のシュートは0。後半も押し込まれる展開となったが、79分に佐藤未来也が左サイドの角度のないところからのフリーキックを直接決めて試合を振り出しに戻す。東洋大はその後もチャンスを作るものの決めきれず、1-1で試合終了。ともに勝点1を分け合うドロー決着となった。



 第3節を終え、ついに全勝チームが明大1チームに。その明大の首位の座を虎視眈々と狙うのが昨年度王者の筑波大だ。勝点差はわずかに2。明大がこのまま首位を独走するのか、それとも筑波大が待ったをかけるのか。流経大、東国大も1ゲーム差と首位を射程圏内にとらえている。一方、下位グループでは一昨年インカレ王者の桐蔭大が11位の降格圏に沈む。J3を倒す実力がある一方、リーグ戦では未勝利と厳しい状況が続いている。今年1部に復帰・昇格をはたした駒大と関東大はともに勝点をマーク。駒大が初勝利を挙げた一方、関東大は勝点1にとどまり最下位に。そろそろ巻き返しを期待したいところだ。

 次節・第4節は5月4日(土)に全6試合が行われる。味の素フィールド西が丘では東洋大対中大、日大対国士大の2試合を実施する。
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著者プロフィール

一般財団法人関東大学サッカー連盟は、関東地域における大学サッカーの水準向上と普及、加盟チーム相互の親睦共励、そして広く社会に貢献できる学生を育成することを目的に、1924年に創設されました。主要大会のひとつである『関東大学サッカーリーグ戦』では関東7地域から36大学が参加し、1部~3部のカテゴリーで熱戦を繰り広げています。近年は日本代表にも多くの選手を輩出するなど、通年でレベルの高い試合を展開しています。また主管大会として、大学の日本一を決める『全日本大学サッカー選手権大会』(インカレ)などの全国大会も実施しています。

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