コパ・アメリカ2019連載

乾貴士が厳選する今大会必見のプレーヤー メッシ、スアレス、そして久保建英

構成:YOJI-GEN

11年からヨーロッパを舞台に活躍する乾貴士。多くの南米出身選手とピッチで戦ってきただけに、そのプレーヤー分析は実に的確だ 【新井賢一】

 ドイツ、そして現在のスペインと、ヨーロッパでのプレー経験が豊富な乾貴士。これまで多くの南米出身選手としのぎを削り、あるいはチームメートとしてともに戦ってきた彼が、コパ・アメリカの注目選手を教えてくれた。メッシ、スアレスといったビッグネームから、知られざるタレントまで──。あわせて各グループの戦いを展望しつつ、若き日本代表へ熱いエールも送ってくれた。

※リンク先は外部サイトの場合があります

“バケモン”ネイマールの欠場は残念だけど…

――コパ・アメリカのイメージって、何かありますか?

 これぞ南米のサッカーといった感じ。ヨーロッパでやっているようなサッカーとはちょっと違いますよね。テクニックの中に力強さや荒々しさがあるというか、そのあたりは面白いなって思います。

――南米の選手の特徴とは?

 すべてを持っているイメージですね。速くて、強くて、うまいという。

――ヨーロッパの選手との違いは、どのあたりにあるんでしょう?

 同じように速くても、南米の選手は瞬発力があるというか、一瞬の速さが半端じゃないですよね。そして、そういった速さの中にもスゴいテクニックを織り交ぜてくる。

──ではここからは、コパ・アメリカのグループステージを簡単に展望しながら、各組の注目選手について語っていただきます。まずはグループAですが、本命はやはりブラジルですか?

 ほぼ確実かなと思います。もう1チームは難しいですが、ペルーかベネズエラ、どっちかかなという感じですね。

――ただブラジルは、エースのネイマールがケガで出場できなくなってしまいました。

 ネイマールは……いやもうバケモンですからね(笑)。「こんなプレーができたら、そりゃサッカー楽しいわ」って、いつも思います。彼の遊び心のあるプレーが大好きなので、残念ですね。

──代わって攻撃の中心を担うのはフィリッペ・コウチーニョあたりでしょうか。彼のプレーの特徴は?

 得意とする左サイドからのカットインシュートはほぼほぼ入る(笑)。いや、うまいですよ、やっぱり。ドリブルのタッチも細かいですし、いろいろな角度に変えながらやるので、ディフェンスとしてはとても奪いにくいと思います。

──サイドの選手だと、チャンピオンズリーグ(CL)で活躍したアヤックスのダビド・ネレスもメンバー入りしましたね。

 あの、少し垂れ目の?(笑) 確かに、彼も注目選手の一人ですね。

――ネレスの魅力とは?

 スピードがあって、決定力もある。CLであれだけ良いサッカーをしたアヤックスの中でも中心的な存在でいられたのは、その高い技術と決定力があったからだと思います。

──CLで優勝したリバプールのセンターFWロベルト・フィルミーノもいますね。

 昔はドイツでやっていて(2011年から15年までホッフェンハイム。乾も同じ時期にブンデスリーガのボーフム、フランクフルトに在籍していた)、その当時から技術はありました。ただ、そこまで点を取っているイメージがなかったので、まさかこれほどの選手になるとは思いませんでしたが、実際にここまで来ているということは、チームで結果を出し、実力をどんどん上げてきた証拠でしょうね。

──前線の選手で、他に注目は?

 個人的に、レアル・マドリーの若いヴィニシウス(・ジュニオール)にはメンバーに入ってほしかったんですが……。

──スピードのあるウイングですよね。残念ながら彼はリストから漏れましたが、同じマドリーだと、アンカーのカゼミーロがいます。彼はどんな選手でしょう?

 ディフェンスですよね、スゴいのは。もう、ほとんど彼がひとりで中盤の守備はやっているので。レアルでもそうですが、ブラジル代表にとっても欠かせない選手だと思います。

――あとは中盤でいうと、バルサのアルトゥール。

 パサーで、(アンドレス・)イニエスタに似たタイプの選手ですね。ああいったタイプがブラジルにいる印象が自分の中ではあまりなかったんですが、攻撃のリズムに変化を与えられる彼のような存在は、チームにとってすごくプラスだと思います。

メッシにとってFKは「簡単」なんです

メッシがゴールを量産できる秘訣は、チャンスを嗅ぎ分ける嗅覚とそれに反応するダッシュ力。アルゼンチン代表でも輝けるか 【写真:ロイター/アフロ】

――次はアルゼンチン、コロンビア、パラグアイ、そして同じアジアのカタールが入ったグループBです。

 普通に考えればアルゼンチンとコロンビアでしょうね。ただ、初戦でこの2カ国がぶつかるので、そこでコケた方が脱落する可能性もある。パラグアイにもわずかにチャンスがあるかもしれませんね。

――まずアルゼンチンですが、注目選手はやはり……。

 まあ、(リオネル・)メッシですね(笑)、もちろん。

――「メッシのここを見ろ」というポイントはどこですか?

 ドリブルの細かいタッチだったり、あとはチャンスになった時の嗅覚ですかね。それまでずっと歩いていたのに、「チャンスだ!」と思った時のあのダッシュ……。そこが、あれだけ点を取れる秘訣なんでしょうね。

――今シーズンはFKもスゴかった。

 スゴかったですね、FK。なんなんですかね(笑)。試合をやっていても、「そんな簡単に決めるんだ」というのが多い。たぶん簡単なんでしょう。簡単じゃなかったら、あんなに決められないですもん(笑)。

――メッシは体も強いんですか?

 めちゃめちゃ強いです。

――小柄でも?

 足の太さとか、尋常ではないですよ(笑)。

――例えばチームメートと、「どうやってメッシを止めるか?」みたいな話はするんですか?

 メッシを止める? そんな話、いちいちしないですかね。だって、止められないと思ってますから。

――あらためて、メッシのスゴさをひと言で表現すると?

 決定力というか、ここぞという大事な場面で必ず決めますからね。クラシコとかCLとか。

――「メッシはアルゼンチン代表で輝けない」とよく言われますが、その原因はどこにあると思いますか?

 どこなんですかね。合う選手がいないのかな。でも、周りにもうまい選手はたくさんいますよね。もしかしたら、バルサと比べて中盤が良くないのかな。

――アルゼンチン代表の中盤には、乾選手のベティス時代のチームメート、ジオバニ・ロ・チェルソがいますね。どんな選手ですか?

 技術が高くて、頭が良い選手。パスもうまいですし、昨シーズンは特に決定力もスゴかった。

――性格は?

 面白い奴ですよ。アルゼンチンの選手で変な奴はあまり見たことがないので。いたずらっこですけど(笑)。

――他にもタレントはたくさんいますよね。例えばセルヒオ・アグエロ。特別なイメージはありますか?

 たくさん点を取っているストライカー。

――アンヘル・ディ・マリアはどうですか?

 打開力に優れたドリブラーですよね。左サイドから崩していく感じの。

――コロンビアとは昨年のロシア・ワールドカップ(W杯)でも戦っていますが、どんなチームですか?

 W杯では結果的に日本が勝ちましたけど(〇2−1)、ただただ強かった印象ですね。守備も、攻撃も。特に攻撃ですね。破壊力があって、みんなテクニックも高いので一発の怖さがありました。

――ご自身の経験から、コロンビアを倒すためには何が必要だと思いますか?

 うーん……そうですね。ビビらずに、前から取りに行くことじゃないですか。

――カタールもそういったサッカーをしないと?

 そうですね。普通に引いて守ったとしても、勝てるとは思えないので。それなら前から行くほうが、まだチャンスはあると思います。

――コロンビアのメンバーで、一番の注目は誰ですか?

 やはりハメス(・ロドリゲス)ですかね。彼の出来次第でチームは変わりますから。

――特徴的には?

 左足のキックが一番の特徴ですね。彼が他の選手を生かせるようなパスを出せるかが、ポイントになってくるでしょう。

──他に気になる選手はいますか?

 ユベントスの(フアン・)クアドラード。

――乾選手が好きそうなタイプですよね。

 大好き。(実際に対戦した時も)スンって抜かれたから。「こんな速いんや!」と思って。

――パラグアイとはロシアW杯直前の親善試合で対戦していますよね。乾選手の2ゴールの活躍もあって日本が4−2で勝利しました。

 あの時のパラグアイはW杯にも出ないので、ちょっとモチベーションが低かった。参考にはならないですね。

1/2ページ

著者プロフィール

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント