「中国に勝てない何かがあると思った」 早田/伊藤組、準Vより敗戦が重く
2ゲーム目までは日本ペアが圧倒も…
世界選手権・女子ダブルス決勝、日本の早田/伊藤組は中国ペア相手に先手を取るが、惜しくも逆転負けを喫した 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
しかし、3ゲーム目に入ると中国ペアも徐々にアジャストしてくる。サービス・レシーブの読み合いが続く展開で終盤までもつれ、中国ペアが8−7とリードしていた場面、タイムアウト明けの1本をきっちり奪った中国ペアが1ゲームを取り返した。第4ゲームは中国ペアが完璧にペースを握り、それまでミスの目立ったチキータが決まり出し、中国ペアが打ち込む展開が増えていく。序盤は効果を発揮していた日本ペアのチキータ、逆チキータに対しても「やられるくらいなら、やらせればいい」と言わんばかりに、どっしりと待ち構えてサービス・レシーブで主導権を渡さず、11−3で中国ペアが4ゲーム目を奪取。ゲームカウントをタイに戻した。
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残ったのは充実よりも悔しさ
ゲームカウント2−2で迎えた第5ゲーム、勝負どころで起こった”疑惑の判定”。日本ペアは抗議を行うも、判定は覆らず 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
最終ゲームは序盤から中国ペアがリードする展開で、日本ペアも何とか食らいつくも最後は早田のドライブがネットにかかりゲームセット。早田/伊藤組はスタートダッシュを決めながらも、無念の逆転負けを喫した。
前回大会の3位を上回る成績にも、表彰台で笑顔はなかった早田/伊藤組。残ったのは充実よりも悔しさ。第1シードとして臨んだ今大会、格下相手に取りこぼすことなく決勝まで進んだが、「勝たなきゃいけないところまでは来られた。でも中国には勝てなかった。中国選手に勝てない何かがあると思った」(伊藤)と中国の壁の高さを口にした。
「48年ぶりの2位」という数字に注目が集まるが、その数字以上に決勝の「2−4」というスコア、1本1本が2人の脳裏には強く残ったはず。今大会、勝利しても喜びを大きく表現することのなかった2人。それは目指していたのが優勝だけだという意志の現れだった。だからこそ準優勝という成績以上に、決勝の敗戦は重い。