早田/伊藤組、ダブルス女王へ勝機あるか 他国相手に無敗の中国攻略は「仕掛け」
逆転勝利で初の決勝進出
日本ペア同士の女子ダブルス準決勝に勝利した早田(写真左)と伊藤 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
これまで橋本/佐藤組には一度も負けたことがないという早田/伊藤組。今年1月の全日本選手権準決勝でも対戦し、早田/伊藤組がストレートで勝利を収めている。カット攻略には定評がある早田/伊藤組に対し、この日は橋本/佐藤組が攻撃でスタートダッシュをかけた。
1ゲーム目から橋本/佐藤組は積極的に攻撃を仕掛け、いきなり5−0とリード。しかし、早田/伊藤組が動じずに逆転でこのゲームを奪う。早田/伊藤組が一気に押し切るかと思われたが、橋本/佐藤組は2ゲーム目、3ゲーム目とゲームポイントを先に握る展開で取り返す。橋本、佐藤の2人ともカットのミスが非常に少なく、橋本の下がった位置から前に飛び込んでのバックスマッシュ、佐藤のフォアドライブでの逆襲と、ダイナミックな攻守の切り替えで会場を沸かせる。ゲームカウントを2−1とし、早田/伊藤組からリードを奪う。
それでも、早田/伊藤組は動じない。早田のドライブと伊藤のバック面に貼った表ソフトからの変化で、球質に差をつけながら中盤で一気に突き放す展開で4、5ゲーム目を連取し、逆転。勝利に王手をかけた6ゲーム目も5−5から5本連取を見せて日本勢対決に決着。早田/伊藤が大会第1シードとして堂々の逆転勝利で初の決勝進出を決めた。
実力示したカットペア「橋本/佐藤組」
序盤はリードし、会場を沸かせた橋本(写真左)と佐藤 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
カットマンだが、現代卓球では粘って相手のミスを待つだけでなく、攻撃も交えていかないと勝てない。しかし、相手に対策を講じられやすいのもカットマンの宿命で、今大会の準決勝のように同国対決となればなおさら。攻撃型に比べると試合で使用する技術の数が少なく、だからこそさまざまな回転のカットに攻撃を入れ、リズムや球質に変化をつけて相手のプレーを崩していく必要がある。橋本も「カットマンはやることが限られているので、どうやって試合を進めるかが重要。今は練習でも試合でも、しっかり自分で相手のことを見極めて、細かく戦術を切り替えながらプレーするように意識している」と語る。
橋本、佐藤ともに年々カット、攻撃ともに精度を増し、一歩一歩成長している。カット+攻撃のオールラウンドなプレーに加え、相手にとって脅威となる尖った武器を身につけ、さらなる高みを目指してほしい。