石川/吉村組が対峙した“本気”の中国 高い個人技×ダブルス巧者のすごみ
吉村/石川組は連覇を逃す
世界卓球混合ダブルス決勝後、中国ペアと健闘を称え合う石川(左から2人目)と吉村(同3人目) 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
決勝は第1ゲームから、世界選手権個人戦のダブルス種目で4度の優勝を誇る許キンが、その実力を見せる。サービス・レシーブでは厳しい返球で日本ペアにチャンスを与えず、ラリー戦になれば、うなりを上げるようなフォアドライブがコートを抜き去る。日本ペアが何とか返球しても、前陣に構える劉詩ブンが早い打球点で跳ね返し、コンビネーションで得点を許さない。劉詩ブンも世界選手権個人戦女子ダブルスで2度の優勝を数えるダブルス巧者。直前の女子シングルス準決勝でも勝利しており、気持ち的にもノっている。
2ゲーム目に入り、吉村が厳しいレシーブとコース取りで許シンのフルスイングを防ぎ、序盤は日本ペアがリードを奪う。それでもジワジワと中国ペアが追い上げ、精度の高い台上プレーでチャンスを作り出すと、許キンの豪打がさく裂。1ゲーム目とは打球順序が変わり、許キンのボールを石川が打球するサイクルになっていたが、その石川をことごとく打ち抜いて中国ペアがこのゲームも奪った。
厳しい展開が続く日本ペアだが、3ゲーム目は石川の積極的な攻めが許キンのミスを誘い、吉村もYGサービスを効かせて10−5でゲームポイントを握る。中国ペアも追い上げを見せるも、最後は日本ペアが11−9で逃げ切り、1ゲームを取り返した。
しかし4ゲーム目はスタートから中国ペアが先行する展開が続き、10−6。吉村の会心のチキータなどで10−9まで詰め寄るも、最後は石川にバック強打のミスが出て中国ペアが優勝に王手をかけた。頂点が近づいてきた中国ペアは、5ゲーム目に入ってその勢いが加速。中盤から一気にリードを広げて、最後は11−4でゲームセット。中国が王座を再び取り戻した。
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思い描いていた展開に持ち込めず
大会直前に復活が決まった石川/吉村組。準備期間が少ないながらも結果を残した 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
決勝後は「取れたゲームは自分たちがレシーブから先手を取ることができたけど、悪かった時はレシーブから先手を取られてしまった」(石川)。「今日の試合では良いプレーもありましたし、先手を取られてからの展開での失点という課題も見つかった。今後、自分の守備についての技術力などは向上させないといけない」(吉村)とコメント。チャンスを作れずに打ち込ませてしまった試合展開を悔やんだ。
1ゲーム目の終盤に吉村が逆チキータで2本連続レシーブエースを奪うなど、奇襲で得点する場面もあったが、石川が準決勝後に中国ペア相手にカギとなると語った「超連続攻撃」の展開にはなかなか持ち込めず。攻める展開も、中国の堅い壁に跳ね返された。