前走との斤量差から考える天皇賞(春) 上位人気は軒並み消し、穴はクリンチャー

JRA-VANデータラボ

結論

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 以上の傾向を踏まえて、今年の天皇賞(春)を展望してみることにする。出走予定馬は表5の通り。前走レース成績及び、前走斤量、斤量差などを記した。

 まず斤量が3キロ以上増える馬は4頭。ユーキャンスマイル、エタリオウ、グローリーヴェイズ、メイショウテッコンだ。これらの馬は上位人気になる可能性が高い。しかし、この手のタイプは過去10年で連対がない。仮にこれらの馬がすべて3着以下に沈むとなると、馬連はいい配当が見込めそうだ。

 最もわかりやすくて有力なタイプは今回斤量が1〜1.5キロ増で、前走1〜2着の馬。該当馬はフィエールマン1頭。前走アメリカジョッキークラブCでは斤量57キロを背負い、2着だった。その時1着だったのがシャケトラだ。斤量58キロは初めてとなるが、上位人気が予想される馬の中では本馬が有力と見たい。

問題は今回斤量が2〜2.5キロ増える馬たちの取捨だ。前走1着馬を狙いたいところだが、今年は該当する馬がいなかった。そこで6着以下に敗れていた馬の中で、巻き返す可能性がある馬を考えてみることにする。

表6 表2に該当した馬の中で好走した馬 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 斤量2〜2.5キロ増で好走した馬を具体的に挙げてみた(表6参照)。前走6着以下から巻き返したのは、16年カレンミロティックと12年ビートブラック。ともに前走阪神大賞典に出走し、それぞれ6着、10着に敗れていた。前哨戦で大きく負けたことで本番は人気をかなり落としたが、カレンミロティックは前年の天皇賞(春)で3着。ビートブラックは過去に菊花賞3着の実績があった。その他の馬も過去にG1で好走経験歴があるタイプばかりだった。阪神大賞典組の巻き返しというよりも、過去のG1実績の方を重視して考えてみたい。

 以上の点を踏まえ、クリンチャーをマークしておくことにする。昨年の天皇賞(春)では3着に入った馬だ。近走の着順が悪く、前走も日経賞で7着。人気はかなり落とすことになりそうだ。不振から脱出できていない可能性はもちろんあるが、同馬の激走を警戒しておきたい。

文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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