アーモンドアイ、注目の世界デビュー戦 ドバイWCデー日本馬出走4レース展望

JRA-VAN

【ドバイワールドカップ】

今年のWCは米国勢が小粒、ならば昨年の覇者サンダースノーが今年も主役を務める 【Photo by Getty Images】

 年明け早々に高額賞金のペガサスWCが創設されたことにより、ダートの本場アメリカの大駒たちに新たな目標が誕生した。その影響か、近年はドバイWCに参戦する北米調教馬が小粒化してきた感もある。今年の遠征馬にはクラシック三冠戦やBCの優勝経験馬が不在。レースの主役は地元UAEの前回王者サンダースノーが務める。

 サンダースノーは前哨戦のアルマクトゥームチャレンジ(AMC)R3が4か月ぶりの今季初戦。結果は10馬身近く離されて2着と見映えのする内容ではなかったが、1月から実戦を重ねつつ、AMCR3で5馬身余りの2着に敗れた昨年との比較では臨戦過程に余裕がある。同じG1でも1着36万ドルの前哨戦と、720万ドルの本番では賞金規模に20倍もの開きがあるだけに、本気を出すのは今回だ。外目の12番枠を引いたが、昨年は大外10番枠からの積極果敢な逃げで勝利をつかんでおり、巻き返し必至だろう。

人気を分け合っているノースアメリカ、すんなり先手なら強力だ 【Photo by Getty Images】

 英ブックメーカーの前売りでサンダースノーと人気を争っているのがノースアメリカ。名前は「北米」だが、こちらもUAEを地元としている。昨年のAMCR3ではサンダースノーを負かしており、ドバイWCを勝っても不思議のない実力馬だ。昨年の本番は出遅れて得意の逃げを打てず、中団から粘りを欠いて最下位に惨敗と頼りない面もあるが、もともとゲートの速さは一級品。主導権を握ることさえできれば、雪辱を果たす可能性も十分にある。ただし、今年のAMCR3でサンダースノーをちぎり捨てたキャッペッザーノも気分良く飛ばしたいタイプ。しかも枠順が内の2番と3番で引くに引けない並びになった。一方が先手を取り切れば一人旅もあるが、競り合うと共倒れの結果が待っている。

差しタイプがそろう米国勢で安定感一番はシーキングザソウル 【Photo by Getty Images】

 今年の北米勢は差し馬がそろい、ハイペースは望むところ。ただ、それぞれに一長一短ある布陣。近走の勢いと安定感で筆頭格はシーキングザソウルだが、マイラー志向でスタミナの保証はない。ガンナヴェラはハイペースのBCクラシックでサンダースノーに先着したものの、G1未勝利で最近2年は重賞勝ちもない。ハーツクライ産駒ヨシダには芝G1勝ちのスピードや英国遠征の経験がある。しかし、BCクラシックではガンナヴェラとサンダースノーの後塵を拝した。

 オーディブルはケンタッキーダービーで三冠馬ジャスティファイから3馬身圏内の3着も、その後に故障して半年の休養。前々走は格下に不覚を取り、前走のペガサスWCでも完敗と精彩を欠いている。昨年4着のパヴェルは今年も同じ臨戦で期待もある。ただし、この1年間で2連対しかしておらず、パシフィッククラシックでの2着はアクセラレイトに12馬身余りの大敗と価値を見出しにくい。

 こうした相手関係の中、ある程度の位置で流れに乗れそうなケイティブレイブには、いつものように粘りの利いた走りで上位を目指してほしいところ。追えるJ.モレイラ騎手を鞍上に迎える今回は最後のひと伸びも違ってくるはずで、見せ場以上を期待したい。

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