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日本代表FWの要に…充実の坂手淳史
「切磋琢磨してワールドカップに出たい」

世界トップクラスを相手に堂々のパフォーマンス

欧州遠征でセットプレーを安定させ、自信をつかんだ
欧州遠征でセットプレーを安定させ、自信をつかんだ【斉藤健仁】

 もともと、バックローで大学からHOに転向した坂手は、突破力や機動力、タックルに定評があった。セットプレーでどこまで、世界のトップレベルと戦えるか、耳目が集まった。そんな中で坂手は、特にイングランド代表戦ではスクラムは安定させ、ラインアウトのミスは1本と完璧に近い内容だった。「オールブラックスやイングランド代表戦は自分の中で自信になりました。またワールドカップの開幕戦で戦うロシア代表と試合をできたことはいい経験になった」(坂手)


 ワールドカップイヤーである2019年を迎えて、この数年、日本代表、サンウルブズ、トップリーグで試合出場の多かった選手は、長期休養の後、2月から日本代表候補合宿に参加した。ただ坂手は1月中旬に千葉・市原での合宿をスタートしたサンウルブズ組だった。当面のライバルだった庭井が合宿開始早々で負傷してしまい、坂手にかかる期待はより大きくなった。


 3年目のサンウルブズということで坂手は「ブラウニー(トニー・ブラウンHC)も勝つ、と言っているので勝てるチームのひとつのパートになりたい。(日本代表の首脳陣に)見てもらえるチャンスはある。全体的なレベルをもう一段階上げていきたいし、セットプレーも、得意としているフィールドプレーももっとフィジカルを前面に出して、それができれば自ずと結果も出てくる」と意気込んでいた。

レッズ戦はスクラムに苦しむ「落とされてしまうと…」

サンウルブズでのレッズ戦はスクラムで反則を取られるなど反省が残る結果に
サンウルブズでのレッズ戦はスクラムで反則を取られるなど反省が残る結果に【斉藤健仁】

 開幕2試合はジョージア代表ジャバ・ブレグバゼが先発だったが、アウェイで初勝利を挙げた3月2日の第3節のチーフス戦では、同じく日本代表を目指しアピールを続けるPR山下、LOヘル ウヴェ(ヤマハ発動機)らとともにセットプレーも含めて勝利に貢献した。そして、その後も先発出場を続けている。


 ただレッズ戦では、ラインアウトで1度ミスをしてしまい、スクラムで反則を取られてしまった。もちろん、スクラムは8人で組むものだが、リードするはずのHOとしては悔いが残る。FW第一列の組み手争いで負けてしまい、逆にアーリーエンゲイジ(レフリーの声に合わせて組まない)やコラプシング(故意にスクラムを崩す)の反則を取られてしまった。


 坂手は「スクラムが落ちてしまい、(反則を)取られる感じではなかったが、全部、向こうに(レフリーの)手が上がってしまった。コミュニケーションを取ろうとしたり、バインドのバトルで修正しようとしたりしたがうまくいかかった。落とされてしまうと何もできない」と唇をかんだ。

坂手「HO全員がライバル」

ワールドカップ出場に向けて、「2019年は勝負の年」と燃えている
ワールドカップ出場に向けて、「2019年は勝負の年」と燃えている【斉藤健仁】

 ただ昨秋はオールブラックス、イングランド、今年に入ってからも南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリアといろいろなチームと対戦し、スクラムを組んだことは坂手にとっては大きな糧となるはずだ。高い強度の試合も重ねており、得意のフィールドプレーでは「フィジカルやゲームフィットネスに慣れてきている。アタックでもディフェンスでも、もうひとつ前に出て行ける選手になりたい」と前を向いた。


 夢であるワールドカップ出場に向けて坂手は「2019年は勝負の年。常に成長していかないとワールドカップの舞台に立てないと思うので、1日1日成長したい。またHO全員がライバルなので、みんなで切磋琢磨してワールドカップに出たい。また出るだけでなく結果がすべてだと思っているので勝たないといけない」と冷静に先を見据えている


 HOの先輩である堀江は、進化を遂げている坂手に対して「うまいし、元々いいものをもっている。(庭井も含めて)2人とも怖いですね」と本音を吐露する。坂手は経験では堀江に勝つことはできないが、若さと勢いで日本代表の2番を奪うくらいのプレーぶりを見せ続けることが、自身のワールドカップ出場だけでなく、日本代表の勝利にもつながっていく。

斉藤健仁

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーとサッカーを中心に執筆。エディー・ジャパンのテストマッチ全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」、「高校生スポーツ」の記者も務める。 学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「世界最強のゴールキーパー論」(出版芸術社)、「ラグビー「観戦力」が高まる」(東邦出版)、「田中史朗と堀江翔太が日本代表に欠かせない本当の理由」(ガイドワークス)、「ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版)、「エディー・ジョーンズ4年間の軌跡―」(ベースボール・マガジン社)など著書多数。最新刊は「高校ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版/2017年11月刊)。

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