指揮官交代は韓国野球にどう影響を及ぼす? 宣銅烈前監督には同情の声も
選考問題については「本当に難しい」
昨夏のアジア大会では監督を優勝に導いた宣監督(写真1番右) 【写真:ロイター/アフロ】
金監督にとって宣前監督は大学野球部の3年後輩だ。お互いをよく知る間柄であり、07年の北京五輪出場をかけたアジア選手権では金監督の下、投手コーチを宣前監督が務めた。金監督は宣前監督について「心の中の苦悩は監督をした者しか分からない、つらいものだっただろう。11月のプレミア12では、宣前監督の心とともに選手たちといい結果を出せるよう努力しなければならない」と語った。
韓国は4年前のプレミア12、昨夏のアジア大会で優勝しているが、各国のトップチームが参加した第3、4回のWBCでは1次ラウンドで敗退している。金監督は金メダルを手にした11年前と現在の韓国の戦力を比較し、「当時はいい左投手がいた。日本やどのチームと対戦しても引けを取らないエース級ピッチャーがいたが、今はその点が心配だ」と分析する。
今回の監督選考では7人で構成された技術委員会の中に、日本でも活躍した李承ヨプ(イ・スンヨプ)KBO広報大使が加わり、その李氏、そして金監督の高校の後輩である元メジャーリーガーの朴賛浩(パク・チャンホ)氏の入閣も注目されていた。それについて金監督は「野球はチームワークのスポーツだ。コーチが目立つと選手よりコーチの色が濃くなるので、李委員のコーチ入りは控えることになるのではないか。人選には入っていない」と説明した。
約4カ月にわたった韓国の代表監督に関する問題は金卿文監督の代表復帰で終息となった。屈辱の辞任となった宣前監督には同情の声が集まり、複数の球団からはキャンプでの臨時コーチを打診されるなど、現場での信頼は失っていない。
韓国代表はこれまで危機的状況を迎えた時に、それを打破することで結束してきた。今回の監督問題は韓国にとって、災い転じて福となすか。