日本ダービー、オークスで好走するために 「1月末」時点で必要な実績は?

JRA-VANデータラボ

POGや一口オーナーにとっても大いに気になるデータ

 既に一定の実績を残している明け3歳馬にとっては、クラシックへ向けた充電期間にあてられることも多い1月開催。しかし現時点で未勝利の馬や、初勝利こそ挙げてもそれ以上の賞金を加算できずにいる馬は、ここで休んでいては、あっという間に春後半のG1出走すら怪しくなる。日本ダービーやオークスで好走するためには、「1月末」の時点で果たしてどのくらいの実績が必要なのか。ペーパーオーナーゲームに参加していたり、一口クラブで明け3歳馬に出資していたりする人にとっては、大いに気になるこのデータを調べてみたい。データの分析には、JRA-VAN Data Lab.とTarget frontier JVを利用した。

ダービー馬の1月末時点における「前走」と「次走」(2000年以降)

表1 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 まず表1は、2000年以降のダービー馬について、1月末時点での最終出走レース(以下「前走」とする)と勝利数、そして2月以降に初めて出走したレース(以下「次走」とする)での成績を調べたものである。

 その1頭目、00年のアグネスフライトは年明けデビューのダービー馬だが、JRA-VAN Data Lab.でデータが提供されている1986年以降、ほかに該当するのは96年のフサイチコンコルド(1月5日・新馬戦1着)のみ。これはかなり例外的な存在だ。

 表にある通り、1月末時点で1勝しか挙げていなかった2000年以降のダービー馬も、ディープスカイ、オルフェーヴル(重賞2着の賞金加算あり)、そしてドゥラメンテの3頭しかいない。特に12年以降は7頭中6頭が、1月末時点で2勝以上を挙げていた。

 その「12年以降」に限ると、あと3つ「例外1頭」というダービー制覇への条件が見えてくる。ひとつは、マカヒキを除く6頭の「前走」が前年中だったことだ。先の「1月末時点で2勝」も併せて考えると、前年のうちに2勝を挙げていることが望ましい。現在(1月中旬)1勝馬だからといって、1月末までに駆け込みで2勝目を挙げても、ダービー制覇はなかなか難しいというのが近年の傾向だ。
ほかには、「前走」で勝っていた馬が7頭中6頭。そしてもうひとつ、「次走」でオープン・重賞を勝ったのは マカヒキのみ(ほかに条件戦はドゥラメンテが優勝)。勝っていないことを「ダービー制覇の条件」と言うには抵抗も感じるが、少なくとも1月末時点の「前走」でさえ勝利を飾っていれば、「次走」で負けてもまったく気にする必要はない

ダービー2、3着馬の1月末時点における「前走」と「次走」(過去10年)

表2 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 続いて表2は、日本ダービー2、3着馬について1着馬と同様に調べたもので、こちらは頭数が多くなるため過去10年(09年以降)を対象とした。まず表の上半分、ダービー2着馬について見ると、11年のウインバリアシオンを除く9頭は、未勝利戦でもいいので「前走」で勝つか、重賞で2着になり、出走の可否にかかわる「賞金」を加算していたことで共通している。3着馬については、前走2着以下(重賞3着以下)でもあまり問題はなさそうだ。

 そして表1同様に12年以降のダービー2、3着馬を見ると、ダービー馬よりかなり条件は緩いことがわかる。「前走」については、14頭中半数の7頭が「重賞以外」。そして1月末時点の勝利数は、14頭中8頭が1勝以下だった。その分、近年は「次走」1着馬が増えているものの、表1のダービー馬に比べれば、1月末時点での実績はさほど問われない。もちろん、日本ダービーはなんとしても勝ちたいレースだが、たとえ現時点で出遅れた感があっても、2〜3着なら希望は持てそうなのが近年の傾向だ。

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