日本ダービー、オークスで好走するために 「1月末」時点で必要な実績は?

JRA-VANデータラボ

オークス馬の1月末時点における「前走」と「次走」(2000年以降)

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 さて、今度は2000年以降のオークス馬についても見てみよう(10年は1着同着)。こちらは全20頭に共通するはっきりした傾向がひとつある。1月末時点から見た「前走」か「次走」のいずれかでは、勝利を飾っていることだ。特に14年以降の5頭はすべて「前走」1着、ここ3年のシンハライトからアーモンドアイは1月末を挟んで連勝と、近年はまず「前走」で勝っているのが理想である。

 一方、1月末時点の勝利数を見ると、20頭中8頭は1勝以下だった。ダービー馬(表1)の19頭中4頭に比べればかなり多く、オークスのほうが「まだ間に合う」可能性が高い。ただ、これら8頭中7頭は「次走」1着、残る1頭・15年のミッキークイーンも重賞2着で賞金を加算している。いくらオークスまで間があるとはいえ、2月以降にまだもたついているようでは厳しくなる。

オークス2、3着馬の1月末時点における「前走」と「次走」(過去10年)

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に表4はオークス2、3着馬で、表2同様に過去10年とした。1月末時点で1勝以下だった馬が19頭中9頭。また、「前走」が重賞だったのは、19頭中7頭のみ。新馬・未勝利戦5頭のほか、1月末時点でデビューすらしていなかった馬も2頭いる。そのうちの1頭、13年のデニムアンドルビーは、2月に新馬戦、未勝利戦とデビュー2連敗を喫してから、未勝利戦とフローラSを連勝し、オークス3着までこぎ着けた。表3のオークス馬もダービーに比べれば条件は緩かったが、2〜3着ならさらに可能性は広がってくる。

 なお、19頭中18頭は「次走」で3着以内。表3のオークス馬も20頭中18頭が「次走」3着以内となっており、オークス好走へ向けては2月以降の初戦で馬券圏内は確保したい。これは、表1〜2のダービー好走馬とはまったく異なるポイントだ。

 以上、日本ダービーとオークスの1〜3着馬について、1月末時点での成績を調べてみた。さすがにダービー馬、オークス馬となると一定の条件をクリアしている必要がある。ただしオークスなら、やや出遅れていたとしても、今後の成長次第で勝利まで手が届く可能性はありそうだ。2〜3着であれば、ダービー、オークスともによりチャンスは大きくなる。

 もちろん、これはあくまで過去の結果で、今年も同じとは限らない。たとえば08年のダービー馬・ディープスカイは、1月末時点で未勝利戦を勝ったばかり。「次走」の500万条件でも2着に敗れたが、その後ダービーを1番人気で迎えるほどの急成長を見せている。ペーパーオーナーゲームでの指名馬や、クラブの出資馬が、もし過去の傾向からは厳しく思われても、ここから大逆転する可能性を信じて応援したいところだ。

文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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