“大幅緩和”のゴルフ新規則が1月施行 プレーの短縮と簡素化で競技人口増なるか
新ルール、注目すべき点は?
バンカーに入ってしまったら2罰打で、バンカー後方の救済エリアにドロップできるようになる 【写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ】
<速やかなプレーの推奨>
通常は自分の順番になってから40秒以内で打たなければならず、ストロークプレーでは安全確保を前提に、打てる選手から打つことを奨励する。(遠球先打の見直し)
<球を探す時間>
現行の5分から3分に短縮。
<旗竿を立てたままのプレー>
パットした球が旗竿に当たっても無罰。(旗竿の付き添いを待つ時間を短縮)
<バンカー内の球の取り出し>
2罰打で、バンカー後方の救済エリアにドロップできる。(何度も打つ手間を省ける)
<ドロップの高さ>
現行の肩の位置ではなく、膝の位置からとなる。(球が大きく転がることを防ぐ)
<距離計測器の全面解禁>
2点間の距離に限り計測器を使用できるが、各競技の委員会はローカル規則で使用を禁じることができる。(距離判断の迅速化)
これら以外では、OBや紛失球になった場合「その場所の近くから2罰打でプレーを続行できる」(ローカル規則)や「2度打ちは無罰」「無意識(偶然)に球を動かしても無罰」などが注目すべき変更点だ。
期待感がある一方で課題も
同社広報担当の家村佳那さんは「遠球先打の見直しや旗竿の件はプレーが早くなり、バンカー外へのドロップは初心者の救済につながるはずです。『ゴルフは難しい』と思う人が減れば、特に離脱防止の観点で人口増が期待できるでしょう」と手応えを感じた様子。
その反面、「旗竿の先端しか見えない山岳コースでは前の組のホールアウトが確認できない」「慣れない距離計の使用はプレー遅延につながる」という声もある。施行まで1カ月を切った現在、ゴルフ団体の周知活動が遅いという指摘も数多く聞かれた。
いずれにせよ、規則の大幅緩和はプレー時間の短縮と簡素化でゴルフへの敷居を下げる狙いだが、そもそも日本のゴルフ場ではハーフを終えて昼食を挟むなど時間がかかる。9ホールプレーの導入コースも少なく、画一的な運営形態が幅をきかせている。ゴルフ場の収益構造を含む諸問題を同時に解決しなければ、ゴルフ人口の拡大はおぼつかない。