メキシコで10位入賞も不満のトロロッソ ラスト2戦でザウバー再逆転なるか

F1速報

チームのミス、ドライバーのミス

メキシコGP初日の好調さを予選・決勝と活かすことができなかったブレンドン・ハートレー 【Toro Rosso】

 Q3進出、つまりトップ10をうかがう実力はあるとチームは見ていた。

 しかしハートレーはQ2のアタックラップで細かなミスを繰り返し、それを取り戻そうとしてターン12で攻めすぎてロックアップしてしまい、予選14番手に終わってしまった。

「Q1は2ランして10番手でとても上手くいったし、実際のところ今日の僕らの実力はその辺りだったと思う。Q2では新品のハイパーソフトタイヤが1セットしかなくて1回目のランは中古で走らなければならなかった。つまりQ2最後の1ショットしかなかったんだ。最終セクターで何台もマシンが繋がって渋滞していたから、タイヤ温度が十分でないままアタックラップのセクター1を走らなければならなかった。

 それでもQ3に行ける速さはあったと思うけど、いくつか小さなミスもあったから、最終セクターではかなりプッシュしたんだ。ターン12でフロントブレーキをロックさせてしまって、その次の2つのコーナーはかなり妥協を強いられてタイムを失ってしまった」

 そして決勝でもハートレーは、スタート直後にロックアップしてフラットスポットを作ってしまい、1周目にピットインを余儀なくされた。

 その後は最終コーナーの立ち上がりでトラクションが不足し、メインストレートでなかなかマーカス・エリクソン(ザウバー)を抜けず最後まで抑え込まれてしまった。

「ペース自体は良かったし、1周目のトラブルがなければ十分にトップ10でフィニッシュできたはずだった。とにかく1周目にフラットスポットを作ってタイヤがダメになってしまったことで、今日のレースはかなり厳しいものになってしまった。当初は1ストップ作戦で行くつもりだったけど、1周目にピットインすることになって2ストップにならざるを得なかった。あのフラットスポットの代償は大きかった」(ハートレー)

ドライバーズランキング14位のピエール・ガスリーはシャルル・ルクレールとはわずか2ポイント差 【Toro Rosso】

 ガスリーは最後尾から地道な走りでじわじわと順位を上げ、最後はハートレーに順位を譲られるかたちで10位へ浮上。しかしハイパーソフトタイヤでスタートしたガスリーこそ1周目にピットインしていれば、序盤にトラフィックに抑え込まれてタイムロスをすることなくもっと前にいけた計算になり、戦略面で完璧とは言い難かった。そしてガスリーもまたトラクション不足で最終コーナーでスロットルを開けるタイミングが遅くなり、エリクソンを抜くことができずに終わった。

「全体的に負けていたのでこの結果になってしまったということですね。我々はパッケージとして弱いところがあるので、最後の最後に追い込んでいってオーバーテイクするということができなかった。他車のスーパーソフトタイヤがタレてきたところに、フレッシュなスーパーソフトを投入することで優位に立てるんじゃないかという考えがあったんですけど、実際にふたを開けるとスーパーソフトのデグラデーションがものすごく小さくて他の人たちも保ってしまったので、オーバーテイクできるだけの差も付かなかった」

 そう語る田辺TDの表情には、自分たちのポテンシャルを最大限に発揮できず、取れたはずのポイントを最大限に取ることができなかった悔しさともどかしさがにじんでいた。

 ガスリーはパワーユニットのグリッド降格ペナルティ。ハートレーはドライバーのミス。そして戦略とトラクション不足。トロロッソ・ホンダが演じてしまった様々な“不十分さ”が、メキシコGPの10位1点のみという不十分な結果につながった。コンストラクターズランキングを争うザウバーはクリーンなレースでダブル入賞を果たし、ついにポイントで逆転されてしまった。

「今週はガスリーに関しては不必要なペナルティで足を引っ張ってしまいましたから、今後はレースの足を引っ張るようなことなく普通に週末を戦い、自分たちの持っている最大限のパフォーマンスを発揮して戦いたいですね。ブラジルではまたスペック3に戻す予定ですから、チームとして最大限のパフォーマンスを発揮できるクルマを両ドライバーに用意して、残り2戦を戦っていきたいと思います」

 残り2戦、トロロッソ・ホンダにとってはいかにレース週末をクリーンに戦い、持てる実力を全て発揮して結果に繋げることが、来季に向けた足がかりになる。

(Mineoki Yoneya)

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