ジダンとロナウドの魔法が解けたレアル 今季を象徴するクラシコでの大敗

監督交代を浮上のきっかけにできるか

名のある選手たちが持てる力を出し切ることなく、ピッチに立つことは許されない 【写真:ロイター/アフロ】

 バルセロナの状況は大きく異なる。今季はメッシの離脱前から良い試合と内容の悪い試合を繰り返してきたが、クラシコではレアル・マドリーのパフォーマンスが想像以上に悪かった前半に2点のリードを得たこともあり、絶好調のジョルディ・アルバ、ヨーロッパのフットボールとバルセロナ伝統のプレースタイルにスムーズに適応しているアルトゥールの活躍が際立つことになった。

 レアル・マドリーが主導権を握った後半開始からの25分間をしのいだ後、バルセロナは持ち前の嗅覚を発揮したルイス・スアレスのゴールで3−1とリードを広げた。この時点でレアル・マドリーは闘志を失い、ミスの目立つセルヒオ・ラモスとナチョ・フェルナンデス、カゼミーロが形成する3バックは、バルセロナの猛攻を止めることができなくなった。

 今後もバルセロナはファンを熱狂させたクラシコや、メッシの活躍でトッテナムを破ったような試合を繰り返すことだろう。

 だが、レアル・マドリーはクラシコのような試合を繰り返すわけにはいかない。名のある選手たちが持てる力を出し切ることなく、野心も感じられないような状態でピッチに立つことは許されない。

 果たしてレアル・マドリーは監督交代をきっかけに現状を打破することができるだろうか。彼らは9位に沈むラ・リーガ、低調な試合が続いているCLでの巻き返しはもちろん、何より数カ月前まで持っていた自信を取り戻さなければならない。

(翻訳:工藤拓)

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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