波乱もあるアルテミスSの狙い目は? 今年の東京芝は末脚の速い馬に注目

JRA-VANデータラボ

アルテミスS近6年の前走レース別成績

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表4は前走レース別成績。表の一番上の未勝利戦組が一昨年のリスグラシューら2勝をあげ、複勝率50%と優秀だ。昨年は3着ラテュロスが該当しており、近3年で1頭ずつ3着以内に入っている。一昨年に勝利したリスグラシューは新潟芝マイルの新馬戦で2着、前走の未勝利戦は牡馬相手に4馬身差で快勝していた。この組の3着以内馬4頭中3頭は前走上がり最速で勝利していた。

 他では13年の1・2着が芙蓉S組で、連対率100%と好相性。前走新馬戦組は牝馬限定の新馬戦を勝った昨年のラッキーライラックの1勝のみで、表3のキャリア1戦のデータどおり連対率・複勝率ともに高くない。

 なお、前走重賞組はデイリー杯2歳S組の12年コレクターアイテムが勝利しているものの、のべ【1.1.1.12】で複勝率20.0%とそれほど高くない。

アルテミスS近6年の種牡馬別成績

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5はアルテミスSの種牡馬別成績。表の一番上のハーツクライ産駒が12年コレクターアイテム、一昨年のリスグラシューと最多の2勝をあげるも、どちらも1番人気に支持されていた。黄色で強調したダイワメジャー産駒からは13年マーブルカテドラル、ステイゴールド産駒からは14年ココロノアイがそれぞれ勝利しており、ともに複勝率50%以上と優秀だ。その他ではメイショウサムソン産駒から15年デンコウアンジュ、オルフェーヴル産駒から昨年のラッキーライラックが勝利している。

 なお、ディープインパクト産駒は勝ち星がなく、複勝率30%。ただし、近2年は一昨年2着フローレスマジック、昨年のラテュロスと続けて好走している。好走した3頭はいずれも母父がノーザンダンサー系だった。

今秋の東京芝1600mで行われた2歳戦の種牡馬別成績(〜10/14まで)

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に表6は今秋の東京芝1600m戦で行われた2歳戦の種牡馬別成績。黄色で強調したようにディープインパクト産駒が最多タイの2勝をあげており、複勝率100%。今開催の東京芝は上がりが非常に速く、瞬発力に秀でたディープインパクト産駒向きの馬場といえる。アルテミスSではこれまで勝ち星がなかったが、今年は待望の初勝利のチャンスだ。

 ロードカナロア産駒も仕上がり早で2勝をあげており、注目といえる。他ではルーラーシップ、ハーツクライ、ジャスタウェイ各産駒が1勝ずつ。上がり1位の馬が【2.3.1.2】で連対率62.5%・複勝率75.0%と上がりの速さが成績に直結しており、今回のアルテミスSも末脚の速さが求められるレースとなるだろう。

文:ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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