「伝統とカルチャー」を胸にCSを目指す
HCに聞く、○○はうちがNo.1 三遠編

誇り高きフェニックスのチームバスケ

岡田慎吾ら、JBL時代からフェニックスのカルチャーを知る選手が多い
岡田慎吾ら、JBL時代からフェニックスのカルチャーを知る選手が多い【(C)B.LEAGUE】

「“チーム力”にプライドを持っています」


 Bリーグ発足と同時に三遠ネオフェニックスの指揮官となり3季目。藤田弘輝ヘッドコーチ(HC)は就任時から「全員で守り、全員で走って、全員で得点する」というチームバスケットの軸をぶらさず戦ってきた。昨季はシーズンを通してけが人の多さに悩まされ、理想のバスケを完遂できないまま、中地区4位で終結。2季連続のチャンピオンシップ出場はかなわなかった。


 しかし藤田HCは、その悔しさが今季のチーム作りにつながり、これまで培ってきた固い結束力を維持したまま、新しい力を上乗せできたと今季の布陣を分析。その自信を冒頭の言葉で表した。


「昨季はけがも多く思うようにいきませんでしたが、僕のコーチキャリアにおいて間違いなく最も収穫があり、学びが多かったシーズンでした。その反省や課題を生かして今季につなげているので、すごくいいチームができあがってきていると実感しています。


 若い選手が増えましたし、動きが多く強度の高い三遠のディフェンス・オフェンスを40分間継続できるロスターがそろったのではないかな、と。層が厚くなったので、全員でプレータイムをシェアしながら、さらに強度の高いディフェンスを求めたい。今季はフェニックスらしい『ディフェンス・リバウンド・トランジション』と、どういうシチュエーションでもチームとして戦える『Together & Excute』をお見せできるのではないかと思っています」

「伝統やカルチャーが息づいている」

「Together & Excute」。これはコーチや選手がいつなんどきも口にする合言葉のようなものだ。ともに、遂行する。藤田HCは「チームの約束事を遂行しようとする選手の意識がとても高く、それができる選手がそろっているからこそ、チーム力はNo.1だと誇れるのです」と主張する。また、そのプライドの根底には「フェニックス」というチームの伝統やカルチャーが息づいているとも話す。


「フェニックスは中村和雄さんを筆頭に、さまざまなコーチが何十シーズンもの戦いを繰り返し、伝統を築いてきたチームです。その歴史の中で規律や模範が作られ、堅実なディフェンスからの速いオフェンスというチームバスケットが受け継がれてきました。その上で今のチーム、僕がやりたいバスケットがあります。毎年、新しく入る選手にもそれらは理解してもらいます。フェニックスの伝統やカルチャー全てを踏まえてのチーム力。だからこそ誇りを持ちたいし、リーグ1のチームなんだという自信を持って、全員で戦い抜きたいですね」


 JBLオーエスジー時代からフェニックスのカルチャーを知る岡田慎吾と太田敦也。その2枚看板の脇を、田渡修人、鈴木達也、川嶋勇人、長谷川智伸といった、いま最も脂が乗っている同世代組が固め、菅野翔太、渡邊翔太、寺園脩斗、ダシルバ・ヒサシら、活きのいい若手が勢いを呼び込む。外国籍選手も仕上がりは順調で、軸となるのはやはりエースとして定着したロバート・ドジャーだ。昨季はけがで不本意なシーズンに終わったが、今季はHCも「とにかく頼もしい」と太鼓判を押す。リーダーとしても、新加入のベテラン、ウィリアム・マクドナルドと大卒ルーキーのシャキール・モリスに三遠バスケを浸透させてくれるだろう。


 欠場者が多かった先日の東海アーリーカップでは3位という結果に終わったが、HCのバスケットを知り尽くす田渡やドジャーらと新加入選手の息の合った連係プレーも随所で見られ、今季の「チーム力」の仕上がりは上々に見えた。HCも「どんどんいいチームになるんだろうなという期待がすごくあります」と高揚感を隠せない様子だ。


 規律あるソリッドなディフェンス、全員で絡むリバウンド、そして人とボールを動かし続ける機動力重視のオフェンス。揺らぐことのないチームバスケットの質をさらに高め、まずはホーム開幕2連勝、そしてチャンピオンシップ進出を目指す。

水本明子
水本明子

ライター、エディター。兵庫県出身。関西大学卒業後、デザイン会社、編プロを経て1998年よりフリーランス。大阪・神戸を拠点にファッション、健康、美容のフィールドで活動後、2006年に静岡県浜松市へ転居。以降は、スポーツ、健康、医療の分野を中心に媒体への寄稿や情報誌編集などを継続。並行して16年からBリーグ「三遠ネオフェニックス」のオフィシャルライターも務める。

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