森保監督「どういう化学反応が起きるか」 国際親善試合 日本代表メンバー発表会見

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日本代表のメンバー発表会見に出席した森保一監督 【スポーツナビ】

 日本サッカー協会は4日、都内で会見を開き、国際親善試合パナマ戦(10月12日)、ウルグアイ戦(同16日)に向けた日本代表メンバー23名を発表した。

 会見に出席した森保一監督は試合に向け、「貴重な強化の場と捉え、チーム作りに臨んでいきたい」「日本代表を応援してくださるサポーターの皆さん、国民の皆さんに喜んでいただけるような試合をしたい」と意気込みを語った。また、ワールドカップ(W杯)ロシア大会で主力として活躍した吉田麻也、長友佑都、大迫勇也らの復帰に対しては、「前回の選手+今回の選手でどういう化学反応が起きるかを見たい」「経験を言葉とプレーで伝えていって、チームの中でいろいろなことを継承してもらいたい」と期待を口にした。

<メンバー23人発表>

GK:
東口順昭(ガンバ大阪)
権田修一(サガン鳥栖)
シュミット・ダニエル(ベガルタ仙台)

DF:
槙野智章(浦和レッズ)
佐々木翔(サンフレッチェ広島)
室屋成(FC東京)
三浦弦太(ガンバ大阪)
冨安健洋(シントトロイデン/ベルギー)
長友佑都(ガラタサライ/トルコ)
吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)
酒井宏樹(マルセイユ/フランス)

MF:
遠藤航(シントトロイデン/ベルギー)
青山敏弘(サンフレッチェ広島)
伊東純也(柏レイソル)
中島翔哉(ポルティモネンセ/ポルトガル)
南野拓実(ザルツブルク/オーストリア)
三竿健斗(鹿島アントラーズ)
堂安律(フローニンゲン/オランダ)
原口元気(ハノーファー/ドイツ)
柴崎岳(ヘタフェ/スペイン)

FW:
小林悠(川崎フロンターレ)
浅野拓磨(ハノーファー/ドイツ)
大迫勇也(ブレーメン/ドイツ)

ロシア組への期待は「経験の継承」

登壇者:
森保一(サッカー日本代表監督)

 みなさん、こんにちは。今日はお忙しい中、メンバー発表の記者会見に足を運んでいただきありがとうございます。前回北海道で予定されていたキリンチャレンジカップは中止になりましたが、われわれも北海道地震で被災しました。日本全国で自然災害が本当に多くある中で、つらい思いをされている方がたくさんいらっしゃると思います。現地で復旧・復興のためにハードワークされている方々へ、励ましのメッセージとなるようなプレーや試合ができるようにしたいと思っています。

――前回のコスタリカ戦で活躍した中島が今回も招集されたが、W杯ロシア大会の代表組も混ざる中でどんなプレーを期待するか。

 中島だけではなくて、各選手がチームのコンセプトの中でそれぞれが持っている特徴を思い切り発揮してほしいと思います。

――この2試合で何をテーマとしてチーム作りをするか?

 やりたいことはいっぱいありますが、2つ考えていることを今お話させていただきます。1つは私が監督になって2試合目のA代表の試合なので、チームを成長させるコンセプトを浸透させていくこと。また、前回から選手が多く入れ替わったので、選手の特徴・コンディションを把握し、チームとの融合をチェックするということをしていきます。戦術浸透と、個人としてどう機能するかを見たいと思っています。

――ロシア大会に主力で出ていた長友、吉田、大迫らが入ったが、彼らを選んだ理由と期待することは?

 前回のキリンチャレンジカップからロシア大会に出場した選手を招集する中で、本来なら全員を見てみたい思いはありますが、前回招集した選手と今回の選手でチームとしてどういう化学反応が起きるかいうことと、個々のコンディションを今回のパナマ戦とウルグアイ戦やトレーニングの中で見たいと思っています。ロシア大会に出場した選手たちは長くキャリアを積んでいるので、若い選手たちに経験を言葉とプレーで伝えていって、チームとしていろいろなものを継承してもらいたいと思います。

――今回の試合のコンセプトは?

 ざっくりですが、全員攻撃、全員守備というところは前回のコスタリカ戦でも表現してくれましたし(3−0で快勝)、相手との力関係やその時のコンディションにもよりますが、今回もそうしたところをチームとしてやっていければいいと思います。バランス良く戦うというところをこのチームでどうやっていけるか見ようと思います。

――先月のメンバー選考はジャカルタでアジア大会があり、難しい部分もあったと思う。今回はしっかり選考できたと考える中で、一番大事にしたことや基準はどこか。

 前回は、ロシア大会に行かなかったメンバーの中で可能性がある選手を招集しました。ロシア大会で出場機会が少なかった選手、あるいは若くて海外で活躍しているリオデジャネイロ五輪世代より下の選手を招集してチームを作ろうと考えていました。今回はそこに新たな選手を加えてチーム作りを進めていけるように、先ほども申しましたがわれわれがやろうとしているコンセプトを伝えることと、グループとしての化学反応を見ていくことを今回はやっていきたいと思います。

――ロシア大会の主力メンバーのうち、所属クラブで出場機会が少ない柴崎と原口が呼ばれたが、2人のコンディションをどう見ているか?

 2人はなかなか出場機会に恵まれていないと思いますが、もともと世界の舞台では実力を見せてくれましたし、そういった選手がチームに加わってほしいという思いがありました。コンディションについてですが、トレーニングは積めていますし、われわれの活動に加わってもらって現在の調子を見極めて、今後の活動にどう生かしていくかを見ていきたいと思います。

まだまだ招集したい選手はたくさんいる

――アジアカップが来年1月に控える中で、どういう位置づけの2試合にしたいと考えているか? また、1月に向けてどういうメンバー選考と考えているのか?

 アジアカップに向けてA代表を強化していかなければいけないということは考えつつ、私が就任してから招集できた選手は限られているので、いろいろな選手を呼びながらチームの強化を図っていければと考えています。今回のウルグアイはW杯でベスト8に進んだ強豪国ですので、その中で選手たちの力や現在のコンディションを見極めながらアジアカップに向かってやっていければと思っています。

 まだまだ招集したい選手はたくさんいますし、今回の選手がどれくらいアジアカップ(のメンバー)に残っていくかは実力の世界だと思います。試合を見た上で、視察と情報収集をして、その時のベストなチームを作っていきたいと思います。

――パナマ、ウルグアイそれぞれの印象を教えてほしい。

 両チームとも非常に力のあるチームなので、日本代表の強化やチームの成長につながると思っています。相手チームももちろんですが、自分たちが何をできるかをしっかり考えていきたいと思っています。

――森保監督は常々「臨機応変」という言葉を使っているが、まだ試せていない3バックや新たな布陣などを試す考えはあるのか?

 システムありきではないですが、4バック、3バックと考えてやっていきたいと思います。ただし、選手たちには臨機応変に対応力を持って、プレーの選択肢を持って戦ってほしい。その原理原則は変わらない、と伝えていきたいと思っています。そこはトレーニングと試合の流れを見て準備していきたいと思っています。

 けががなければフィールドプレーヤー20人とGK3人を招集している中で、2試合でより多くの選手を試すことを考えています。ただし、試合の流れもありますし、いろいろな状況に対応しながら選手の起用は考えていきたいと思います。

――GKが前回と全く同じ3名だが、前回1試合なくなったので試せていないのが影響しているのか? それともこの3名を脅かすような選手が出てきていないという意味か? また、GKに求める理想像があれば教えてほしい。

 3人だけをずっと招集していくのかは決めていません。もちろん3人共いい選手なのでずっと選ばれる可能性もありますが、他にも今回選びたいと思っていたGKはいました。今回の3人にした理由は、代表で練習する時間も少ないですし、練習の中でわれわれがやろうとする戦術、コンセプトの中でプレーしてもらう時間を増やしたかったことが理由のひとつです。

 彼らに求めることは、まずは失点をゼロで防いでもらうことです。安定した守備で自身で止めるところ。またチームとして他の選手と協力して、チャンスの芽をつんでほしいと思っていますし、攻撃でも起点になれるように、攻撃への関わりも求めていきたいと思っています。

――1月のアジアカップへの強化を進めていると思うが、数名の選手が所属しているガンバ大阪、サガン鳥栖、柏レイソルはJ1で残留争いをしているチーム。万が一これらのチームがJ2に降格したとしても、個人のパフォーマンスがよければ呼び続けるのか?

 なんともお答えするのは難しいですが、日本代表に選ぶべきだと思えば招集したいと思っています。でも、まずはそうならないように取り組んでいただきたいです。Jクラブだけでなく、日本代表を支えてくださっている全クラブが少しでもいい結果を残せるようにわれわれは活動していきたいと思っています。
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