強みは正確さ、だがミスを恐れず積極的に HCに聞く、○○はうちがNo.1 新潟編

「ポストアップ、フリースローの正確さはリーグトップ」

「ポストアップ、フリースローの正確さはリーグトップ」と庄司HCは胸を張る 【(C)B.LEAGUE】

 チームを率いて3年目。長所も克服すべき点も把握している。「目標はチャンピオンシップ進出。そして1つでも上に行くこと」。庄司和広ヘッドコーチは今季のターゲットをよどみなく話した。

 チャンピオンシップ進出は新潟アルビレックスBBの悲願だ。そこに「少しでも上」と、あらためて上積みをした。アーリーカップ北信越では富山に78−108で敗れ準優勝。「まだコンディションが悪い」と出来には満足していないが、もちろんそれも織り込み済みだ。開幕に向けてやるべきことは分かっている。「もっと走らないと。両コートエンドまでね」。詰めと修正を繰り返しながら、初戦の滋賀レイクスターズ戦に近づく。

 リーグNo.1と誇れるものは3つある。

「ポストアップ、フリースローの正確さはリーグトップ。ここはうちの強みだと思っています。ターンオーバーの少なさも、1番ではないがリーグでは上の方。総合すると、この3つではNo.1だと思う」

 リング下には、昨季1試合平均28.7点で得点王を獲得したダバンテ・ガードナーが陣取る。そこを起点にチームで1試合平均81.0得点。これは昨季リーグ4位の高得点だった。フリースローの成功率78.7パーセントはリーグ1位で、ターンオーバー11個はリーグ最小4位だった。

 ガードナーを軸に、Bリーグ開幕時より、インサイドから得点する形を続けてきた。今季はさらにマークが厳しくなることが予想されるが、「今までも対策はされてきたから。そこはある程度回避できる」と大黒柱に対する信頼は揺るがない。リング下の攻防で得た得点チャンスはフリースローも含めてものにしてきた。

積極性が伴なったミスはとがめない

 ミスを少なくするために「ボールを丁寧に扱うことは、ずっと言い続けてきている」。細かなプレーの精度の高さも求める。同時に積極的なプレーから生まれたターンオーバーはとがめない。

「ターンオーバーを少なくしようと思って積極性がなくなってはよくない。そこの兼ね合いは試合数を重ねないと」

 さらに、チームの強みをこう付け加える。

「ポイントガードとビッグマンのツーメンゲームもNo.1じゃないかな」

 インサイドをコントロールする司令塔は五十嵐圭。昨季5.6アシストはリーグ3位。ガードナーとのホットラインは新潟のストロングポイントであり、生命線だった。今季はそこに経験豊富な柏木真介が名古屋ダイヤモンドドルフィンズから移籍。彼はかつての五十嵐の盟友だ。あうんの呼吸でプレーできる。若手の森井健太も成長著しい。派手さはないが、ガード陣の充実ぶりは今季の切り札になる。

 昨季チャンピオンシップ進出を逃した大きな要因は、1試合平均81.4点で18チーム中17位だった失点の多さだった。

「ディフェンスは今季のカギになる。アーリーカップでもそうだったが、緩んでしまう。気持ちがオフェンスの方に向いてしまう。このワンストップがカギになる。チームとしてその方向性は大事ですね」

 チームを指揮する中での積み重ねも1つの武器と考えている。

「他のチームよりスタッフの人数は少ないですが、その中でここ2年はしっかりと話ができていて、準備もできていると思います。昨年、青木(勇人、アソシエイトコーチ)さんが入ってくれたことも強みになっている。若干のゆとりは持てるようになりました。それを結果につなげられるようにしないと」

 新潟創設時のメンバーで、キャプテンも務めた。旧JBL時代に2連覇。県内の2000人収容規模の体育館なら常に満員になるなど、当時から熱い声援に支えられてきたことを誰よりも知っている。だからこそ、結果で応えたいという気持ちも人一倍強い。

「ブースターの声援は大きな力です。自分たちの力以上のものを引き出してもらっている。僕らが応える方法は結果しかないですから」

 上昇へ、勝負のシーズンが始まる。

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