頼れるベテラン勢の熱意と練習量なら随一 HCに聞く、○○はうちがNo.1 群馬編
誰よりも練習に励むベテラン選手たち
小淵雅(写真)をはじめ、ベテランが大きな存在感を発揮している群馬 【(C)B.LEAGUE】
群馬クレインサンダーズ平岡HCの言うベテラン選手とは、藤原隆充(40歳)、根東裕隆(36歳)、小淵雅(35歳)の3選手を指す。
小淵はチーム創設2年目の2012年に、地元・群馬をバスケで盛り上げるために加入。藤原と根東は15年にチームへと加わった。特に小淵と根東は司令塔としてチームに欠かせない存在で、彼らの調子がそのまま勝敗を左右することもあった。昨季もその状況は変わらず、彼らの地位を脅かす若手や中堅選手は現れなかった。
ベテランが活躍する理由は、平岡HCの言う通り、彼らの練習量にある。自主練習では、全体練習前にシュート練習に励むなど、若手以上にトレーニングを積む。その姿を見て若手も練習するものの、漠然と練習しているだけで時間だけが過ぎていく。昨季の開幕前にも、ある若手選手のプレーを見た平岡HCは「(前シーズンと)そんなに変わっていないのは、オフに藤原以上の練習をしていなかったんじゃないかと思う」と苦言を呈していたことがあった。また昨季の終了後にも、特に中堅、若手選手に対し「できないことをできるようにしていくのがプロ。マイナス要因をプラスに変える努力が今季はなかった」と嘆いていた。そんな状況もあり、群馬では、まだまだベテラン選手がチームの核となっているのだ。
うれしい若手の台頭とクウソーの加入
また、アースフレンズ東京Zから古牧昌也、バンビシャス奈良から喜久山貴一を獲得できたのもチームにとってプラスに働きそうだ。栃木ブレックスとのプレシーズンゲームでは、小淵に代わり喜久山がスタメン出場。B1の強豪相手に3Qまでリードし続け、最後は73−74と1点差で敗れたものの、攻守にわたり彼らの活躍が光った。「これまで困ったときは小淵、根東しかいなかった」ので、古牧、喜久山の台頭によりベテラン2人の負担がようやく減りそうだ。
そして今季の目玉が、アブドゥーラ・クウソーの加入だ。クウソーは16−17シーズンの途中で群馬に加わり、昨季は香川ファイブアローズでプレーした。群馬は昨季の終盤にディフェンスが崩壊し、中地区1位から最終的には3位に沈み、2年連続のプレーオフ進出を逃している。その最大の要因は、クウソーのように体を張ってディフェンスをし、チームのために自己犠牲もいとわない外国籍選手がいなかったからだ。オフェンスでもシーズン終盤は外国籍選手のところでボールが止まることも多く、チームプレーにはほど遠かった。平岡HCや選手からも「クウソーがいたら」という声が聞かれたほどだ。
栃木と互角に戦って手に入れた自信を胸に
オフェンスでは、昨季からのトランジションバスケットにさらに磨きをかけていく。具体的には、「このオフェンスは外角からのシュートが増えるため、リングに向かうプレー、ファストブレイク、レイアップシュートを増やしていくことだ」という。ディフェンスでは、プレッシャーディフェンスをチームのスタイルとし、相手のスクリーンに対する守り方をチームに徹底させる。
栃木とのプレシーズンゲームで、「彼らみたいなディフェンスができないとダメ。それが自分たちに足りないところ」とチーム全員で理解を共有した。ただ、開幕前とはいえ栃木とほぼ互角に戦えたことに、「あれだけ強い当たりをしてくるチームはB2にはないので、あのレベルに慣れてしまえばB2は余裕で戦えるんじゃないかと思います」とキャプテンの佐藤文哉は手応えを口にしている。
最後に、平岡HCの考えたもう1つの群馬が誇れることを紹介しよう。それは、「スタッフ陣が皆、太っている。そこがアピールポイント!」だそうだが、これは筆者の独断で却下させてもらった。