西武・辻監督、浅村主将らが優勝会見 「あの9連戦前、不安に襲われたが…」

ベースボール・タイムズ

優勝記者会見で安堵の表情を見せる西武・辻監督(写真右、左は秋山) 【写真は共同】

 9月30日、埼玉西武が10年ぶり22度目のリーグ優勝を果たした。マジック「1」で迎えたこの日、札幌ドームで北海道日本ハムと対戦し1対4で敗れるも、2位・福岡ソフトバンクも敗れたため、頂点をつかみ取ることができた。

 試合後の優勝会見では辻発彦監督をはじめ、チームの中核を担う選手たちが出席。それぞれ喜びの心境を語った。

<会見出席者>
辻発彦監督、浅村栄斗主将、山川穂高、中村剛也、栗山巧、秋山翔吾、菊池雄星、多和田真三郎、榎田大樹

辻監督「トップを走り抜けた選手を誇りに」

以下は辻監督のコメント。

――優勝おめでとうございます。まずは辻監督にお聞きします。改めて優勝を決めて、今の気持ちは?

 ホッとしています。

――胴上げをされてどんなことが頭をよぎりましたか?

 やっぱり、喜びと、私を胴上げしてくれるたくさんの選手たちの気持ちが伝わってきた。本当にここまでみんなが頑張ってきてくれて、そのうれしい思いがすべてです。

――今年のパ・リーグを制したライオンズの強さはどんなところだと感じていますか?

 数字的に見れば、本当に打線大爆発。個々に本当に特徴を持った、キャラクターに富んだ選手たちがいた。投手も含め、1点を大事に取って、1点を大事に守り抜こうという戦いが理想だと取り組んできましたけれど、劣勢になっても選手たちは最後まであきらめず、その日の勝利に向けて頑張ってくれました。

――去年監督に就任して今年が2年目。チームの成長はどんなところに感じましたか?

 優勝の経験のない選手がほとんどなので、やはり昨年の2位から飛躍するためには優勝しかない。そういう中で開幕から8連勝というスタートを切って、それから一度も落ちることなくトップを走り抜けた選手たちを誇りに思います。

――走り抜けた中で、今振り返って、ここを乗り越えたのが大きかったというところは?

 9月の中頃ですね。ソフトバンク戦と日本ハム戦を含めた9連戦が組まれた。その9連戦に入る前日に、怖いというか、この連戦がどういう結果になるのか、どうやったら乗り切れるのだろうかと、そういう不安に初めて今シーズン襲われた。それを見事に選手たちが連勝、連勝と本当に素晴らしいゲームをやってくれて、マジック1になった時にやっと優勝できるという気持ちになりました。

――辻監督が就任されて、隣にいる浅村選手をキャプテンに指名されました。キャプテンの活躍、働きぶりはどう映っていますか?

 優勝したからではないですが、本当に申し分ないですね。元々、アサ(浅村)は口数が多い方じゃないんですけど、十分にグラウンド上で選手たちに背中を見せながら、打つことに関しても状況に応じたバッティングをしてくれますし、全試合に出場してチームを引っ張った。ここにいる選手全員が手本となって一生懸命取り組んでくれたというのが一番の勝因じゃないでしょうか。

浅村「プレッシャーが一気に解放された」

浅村、山川(左から)の3・4番コンビが打線をけん引。特に浅村はキャプテンとしての重圧をはねのけた 【写真は共同】

以下は各選手のコメント。

――選手の皆さんにお聞きしたいと思います。まずはキャプテン、優勝を決めてどんな気持ちでしょうか?

浅村 本当に素直に嬉しいです。

――胴上げしている時はどんな思いがよぎりましたか?

浅村 終盤になってプレッシャーというのも本当にみんな感じてやっていたと思うんですけど、それが一気に解放された気持ちでした。

――続いて山川選手、優勝を決めた今の気持ち、胴上げの時の気持ちは?

山川 うれしかったです。監督さんとちょっと被るかもしれないですけど、追い詰められていましたし、優勝したことがなかったので、ホッとしました。

――お隣の中村選手は優勝が決まって今の気持ちは?

中村 本当にうれしいなと思いました。

――中村選手は10年前の優勝も経験されていますが、その時と比べてどんな違いや心境の変化はありますか?

中村 それほど心境の変化とかはないんですけど、10年前も同じ札幌で、負けて胴上げしているので、なんか似ているなと思いました。

――続いて栗山選手。改めて優勝を決めた気持ちは?

栗山 うれしいです、はい。

――栗山選手も10年前を経験しているが?

栗山 そうですね。おかわりと一緒になりますけど、本当は勝って決めるのが一番で、優勝を決める一打は僕が打つつもりだったんですけど、今日はぜんぜん打てなくて残念でしたけど、うれしいです。

――続いて秋山選手。優勝を決めて今の気持ちは?

秋山 本当にうれしいです。

――振り返った中で苦しいこともあったと思いますが、どんなシーンがよぎりますか?

秋山 やっぱり4月の勢いのまま行けないなというのを5月に痛感して、それぞれがいろんな壁だったり、疲労だったりにぶつかりながら乗り越えて、6月の交流戦辺りからチームとしてこうやって行けばという方向性が見えた。それですごく乗り切ったなと思いました。

――続いて菊池投手。優勝を決めた今の気持ちは?

菊池 9年間、本当にいろんなことがあったんですけど、今日が本当に一番、9年間でうれしい一日になりました。

――開幕前から今年はとにかく優勝したいという話をしていましたが、改めてそれを達成した気持ちは?

菊池 監督さんのことを胴上げしたいと、ずっと2年間思っていましたし、本当に素晴らしい強力打線に助けてもらいながら1年間なんとか戦ってこれたと思います。

――続いて多和田投手。今の気持ちは?

多和田 すごくうれしいです。

――チームに大きく貢献しましたが、自身の働きをどう感じていますか?

多和田 やっぱり野手の方がとても打ってくれて、自分のときもそうなんですけど、ピッチャー陣のみなさんも、とても助かったと思います。

――榎田投手。優勝を決めた今の気持ちは?

榎田 とてもうれしいですし、正直、去年の今の自分のことを考えたら、本当に“天国と地獄”じゃないですけど、すごい差だと思う。本当に西武に来れて良かったなと思います。

――シーズン開幕直前に移籍してきた中でどんな思いで臨んだ1年間でしたか?

榎田 求められてというか、優勝するために呼ばれたと思って、一生懸命やってきたことが実ったので、とても嬉しいです。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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